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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

8/9に行われたマイアミ・マーリンズのニューヨーク・メッツ戦/Getty Images

試合数を減らしてスタートしたアメリカ大リーグだが、今年、珍しい経歴を持つ選手がマイナーリーグから昇格した。2014年冬季オリンピックの銀メダリストが、フロリダのマイアミ・マーリンズで内野手としてメジャーデビューを果たしたのだ。

夏のオリンピックとは違い、冬季オリンピックのメダリストがメジャーリーガーになったことはかつてなく、二刀流の大谷翔平選手を初めて迎えた2年前を彷彿とさせる反響で、ファンの注目を浴びている。

スケートと野球では筋肉づくりが反対


そのオリンピアンのエディ・アルバレス(Eddy Alvarez)選手は、1990年生まれの30歳。キューバ移民の子供としてアメリカに育ち、7歳からスピードスケート競技を始め、国内の競技タイトルを11個も獲得している。しかし、スケートに集中するためにストレス発散で始めた野球にもセンスを発揮する。

9歳の時に、スケートの国内競技大会で優勝してインタビューを受けたときに、将来の夢はと訊かれ、冬季オリンピックと野球のワールドシリーズの両方に出たいと答えている。

本人は、実績がありタイトルも獲っているスケートを続けるか、自分がより楽しさを感じる野球に向かうかを、長いこと悩んでいたようだ。特に、彼の兄であるニックも野球少年で、大リーガーの1歩手前のトリプルAまで進んでいたため(2000年から2006年)、その影響は大きい。

1つのスポーツで栄光を勝ち取ったスーパースターが、他のスポーツで腕試しをすることはアメリカでは決して珍しくないが、バスケットのスーパースターであるマイケルジョーダンが野球に挑戦してもメジャーリーガーにはなれなかったように、プロの世界はやはり厳しい。

特にスケートの場合は、野球と筋肉のつくり方がまるで反対であり、それが大きな障害になっていたと本人は話す。

すなわち、野球の場合は上半身の筋肉づくりが、投球にしても打撃にしても欠かせないが、スピードスケートの場合は、意識的に上半身の筋肉を軽くし、下半身のトレーニングにばかりに集中することになる。本人は、「スピードスケートの場合は、ミートボールの上に小枝が乗っかった体系が理想」だと言って笑う。

文=長野慶太

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