「史上初」と全米で話題 冬季五輪メダリストが大リーガーに昇格

8/9に行われたマイアミ・マーリンズのニューヨーク・メッツ戦/Getty Images


銀メダルを獲った2014年のソチオリンピックに参加したときには、ソルトレイクのコミュニティーカレッジ(短期大学)の野球チームにも所属をしており、全米短期大学体育協会の優秀選手にも選ばれている。
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アルバレス選手の夢が叶う可能性は?


彼の夢であったオリンピック出場で銀メダルを獲得して、一方の夢が叶ったいま、もうひとつの野球でのワールドシリーズ出場は、果たしてどうなるだろうか?

アメリカの場合、学校のクラブ活動の運営に相当な柔軟性があり、チームスポーツといえども、別のスポーツへの参加を理由に練習の不参加があっても咎められないというおおらかな文化がある。コーチはいても、結果責任はすべて自分に帰属するという考え方だ。

結果として、アメリカには、2つのスポーツで活躍するという夢を見る少年少女たちが多く、しかし青年になる過程で、多くは専門的な見地から、どちらかに絞ったほうがいいと言われて、ひとつのスポーツに絞っていくのが現実だ。
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その現実を理解しているだけに、複数のスポーツで活躍するという夢に向かって努力をしてきたアルバレスのような選手には、アメリカの人たちは拍手を惜しまない。

とはいえ、5年間のマイナー経験を経て、アルバレスもすでに30歳になり、今回のメジャー昇格は、選手としてもギリギリのタイミングだったかもしれない。兄のニックも29歳で自由契約選手となり、野球からは離れた。スピードスケートでたくさんの怪我を負い、膝を始め厳しい手術も受けてきたので、その後遺症も気になるところだ。

162試合から60試合に短縮された今シーズンで結果を出さねばならないことは、アルバレス本人もチームも、そしてファンもよく理解している。ちなみに8月9日のニューヨーク・メッツ戦では、アルバレスは4打数3安打の固め打ちで、大活躍をしている。

コロナ禍のもと、なんとか野球界を盛り上げようと関係者が懸命になっているなか、アルバレスもなにかと動向は注目され、たくさんの声援を受けている。大谷選手がアメリカで人気を得ているのと同様に、この国の人たちはこういうマルチで活躍する選手が基本的に好きなのだ。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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