ビジネス

2020.08.11 17:00

脅威の顔と名前を見せる。新聞配達の少年が「サイバー戦士」になるまで




クラウドストライクのビジネスの大部分は米国で行われており、売り上げの約74%を占めている。同社は、中国政府の支援を受けたハッキングの調査に費やしている時間を考えると、中国でビジネスが大きく伸びることはないと考えている。一方で、欧州は有望な成長市場だ。企業や政府のほとんどは、米国と同じサイバー上の懸念に直面しているからだ。

クラウドストライクは、現代の“ホットスポット(危険地帯)”に注意の大半を向けている。カーツは最近、これからはイランからの脅威が増えるかもしれないと話している。イランと西側諸国との関係が再び苦境に陥っているからだ。

ところで、トランプ大統領が唱えたウクライナを巡る陰謀論がクラウドストライクの事業を減速させた様子はいっさいない。カーツは言う。

「サイバーセキュリティの世界的なリーダーとしてのわが社の認知度を、高めてくれましたよ」


ジョージ・カーツ◎米ニュージャージー州パーシッパニー出身。シートン・ホール大学で会計学を学び、最初の職場、プライス・ウォーターハウスでサイバーセキュリティに関心を持った。1999年に創業した「ファウンドストーン」の売却先であるマカフィーを副社長兼CTOまで務めて退社、2011年にクラウドストライクを共同創業した。

クラウドストライク◎2011年創業のサイバーセキュリティ企業。12年にセキュリティシステムをローンチ。クラウド型セキュリティシステム「ファルコン」が、顧客のシステムにハッキングの痕跡がないかスキャン・監視する。アマゾン、クレディ・スイスなど4000社が、サブスクリプションサービスを利用。19年6月、ナスダックに上場した。

文=エンジェル・オウヨン 写真=ティモシー・アーチボルド 翻訳=木村理恵 編集=森 裕子

この記事は 「Forbes JAPAN Forbes JAPAN 7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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