ビジネス

2020.07.18 10:00

「プラスチック削減」をめぐる米国各社の取り組みと課題

Francesco Carta fotografo / Getty Images

Francesco Carta fotografo / Getty Images

「プラスチックフリーの7月(Plastic-Free July)」は、プラスチックフリー財団(Plastic Free Foundation)が2011年から毎年7月に行っている世界規模の取り組みだ。消費者や企業に対して、使い捨てプラスチックの使用を減らしたり、より責任ある代替策を選択したりするよう促すことを目的としている。

プラスチック問題に関する認識を広める必要性が最近注目を浴びるなかで、非営利団体「アズ・ユー・ソウ(As You Sow)」はこのほど、企業の社会的責任(CSR)に注目した新たなデータを公表した。

同団体がまとめたリポート「2020年の廃棄物と機会(Waste & Opportunity 2020)」では、一般消費者向け製品メーカーを対象にプラスチック使用削減に関する調査を行い、AからFまでで評価している。飲料、ファストフードレストラン、一般消費財、小売の大手50社を調査したところ、最高評価は「B-」の1社だった。

それ以外は、「C」が12社、「D」が22社、「F」が15社だった。

アズ・ユー・ソウの副代表でリポートの筆頭著者であるコンラッド・マッケロン(Conrad MacKerron)は、以下のように述べている。「リポートでは、この問題への対応策を講じたり、再利用やリサイクル、堆肥化が可能なプラスチックを導入したりする企業の動きがあまりにも遅いと結論づけた。また、パッケージの無駄を省き、使用が確実に減らせる循環型モデルへの転換を図る努力も十分とは言えない」

プラスチック生産量は、2050年までに4倍になる見込みだ。にもかかわらず、米国におけるプラスチックのリサイクル率はわずか13%であり、気候変動の大きな一因となっている。別のリポートによれば、2050年には、プラスチックから排出される温室効果ガスが、地球に残された「炭素予算」(Carbon budget:気温上昇を一定のレベルで抑えるための累積排出量の上限値)の13%に達する可能性があるという。

「やるべきことは山ほどある」とマッケロンは言う。

ここで疑問が生じる。使い捨てプラスチック問題について、より責任ある行動をとろうとしているほかの企業はあるのだろうか?
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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