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2020.07.02 06:30

ネット上のいじめ、被害者だけでなく加害者にもPTSD症状


さらに研究チームは、調査参加者の一部について、小児向け改訂出来事インパクト尺度(Children Revised Impact of Events Scale:CRIES)を用いたアンケート調査を行い、PTSD症状の有無を判定した。

その結果、参加者の半数近く(46%)が、何らかの形のいじめに関わった経験があることが判明した。うち17%は被害者、12%は加害者、4%は両方の経験があるとの回答だった。また、対面でのいじめを経験した割合(34%)の方が、ネットいじめ(25%)よりもやや多かった。

ネットいじめ被害者のうち3分の1以上(35%)は、「臨床的に有意な」PTSDの症状を示した。さらに興味深いのは、ネットいじめ加害者でも、30%近くがPTSDの症状を抱えていた点だ。これは、いじめに全く関わったことがない参加者を上回る割合だ。

とはいえ、ネットいじめの被害者だと回答した参加者のほうが、加害者と比較するとPTSDの症状がより顕著であり、侵入的な想起(本人の意志とは無関係に過去の記憶がよみがえること)や回避行動(心的外傷に関連する特定の状況を避けようとする行為)を経験していた。また、ネットいじめの加害者と被害者、両方の経験があると回答した参加者では、約28%がPTSDの症状を示した。

とはいえ、これは心理学実験ではなく小規模な相関的研究であり、因果関係を示すものではない点には注意が必要だ。

いじめの経験とPTSD症状の結びつきについては、さまざまな説明が成り立つ。ネットでのいじめ行為が直接的にPTSDにつながっている可能性もあるが、他の要因によるものとも考えられる。いずれにせよ、そのメカニズムは複雑なものであり、その関係を解き明かすには、さらなる研究を必要とするだろう。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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