1975年に設立され、毎年5月にニューヨークで授賞式が行われているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、6月にオンラインで開催されることになった。
各部門ごとに、ゴールド、シルバー、ブロンズの賞が設けられているが、全部門を対象にした「グリーン賞」という特別賞がある。これは、年間でもっとも環境に配慮した広告に与えられるものだ。
今年、グリーン賞を受賞したのは、海藻由来の飲料用包装を展開する、イギリスの「NOTPLA」だった。
以下の受賞作品中で紹介をされている通り、年間約800万トンが海に破棄されているプラスチックが自然分解されるまでには、約750年の時間がかかると言われている。一方、NOTPLAが開発した海藻由来の飲料用包装「Ooho」は、6週間で自然分解される。
2019年のロンドン・マラソンでは3万個以上のOhnoが、ランナーへの飲料配布の際に使用された。
18年に同大会で使用されたペットボトルの数は、約90万本。19年は「Ooho」がその一部を代替したことにより、約20万本のペットボトルを削減することに成功した。
NOTPLAの最新プロダクトは、イギリスの食品配達サービス「Just Eat」と提携して開発された、テイクアウト用の食品容器。20年2月から、段階的にJust Eatでの展開が開始している。
テイクアウトの需要と、環境配慮への関心が高まる中、NOTPLAは今後どれだけのインパクトを、イギリスのみならず世界で残すことができるだろうか。