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今、世界中で多くの人が抱いている「コロナ対策は、いつまで続けなければならないのか」という疑問。

この問題に1番頭を悩ませている業界の1つが、ライブやコンサートといったイベント関係だろう。

芸術は「不要不急」ではない


そんな中、少し前になるが、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」の「コロナに思う」コーナーに、作家の原田マハ氏がビデオメッセージ出演した。中で原田氏は次のように語った。

「想像してみてください。音楽や映画や本やアートがない生活を、私たちは楽しく送ることができるでしょうか。芸術文化は、決して不要不急のものではなく、私たちが人間らしい感性と暮らしを維持するために、今だからこそ、必要なものなのです」

まさに、私たちは芸術文化に日々どれほど助けられていることだろう。音楽や芝居やダンス、アートのない世界で充実した生活を送ることが、果たしてできるだろうか。

芸術文化は、私たちが人間らしい感性と暮らしを維持するためには必須の存在で、不自由な状態を続けている人が世界中にいる今だからこそ必要なものなのだ。

そこで今回は、英米が行った「コロナ禍でのコンサート」に関する大規模な調査の結果を紹介する。芸術文化を心置きなく楽しめる社会を取り戻すために、人々がコンサートに対して抱いている率直な意見を聞いておきたい。また、日本人の感覚や、日本の現在の状況などを含めて比較すれば、非常に興味深い内容だと感じるだろう。

英国8万人アンケートの結果が興味深い


英国のインディゴ社が実施した「新型コロナウイルス感染症に伴うコンサートに関して」のオンライン調査が、非常に興味深い。

質問内容は、アートイベントへの参加復帰についてや、現在の今後のチケットの予約状況、ロックダウン中のライブイベント中止に関してなど様々だ。

本調査は、サウスバンク・センター、ロンドン・フィルム・アカデミーなど国内192の関係団体の協力を得て、それぞれの団体の聴衆からの回答をもとに作成された(ただし1団体につき最大1000名まで。最近の、及び定期的にその団体のイベントに参加した人を対象としている)。

また、現在は第2弾の調査を実施中で、4月16日〜5月6日まで行われた第1弾の調査では、全国の約8万人もの人々が回答した。ちなみに、第2弾はおおよそ同じ質問で実施されている。

今回は、その中からいくつか興味深いものを抜粋して紹介する。

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英国の8万人アンケート、主な回答の結果(Image by Indigo

1. コンサートが恋しいと大いに/それなりに思っている 93%

2. 現在、今後のイベントのチケットを予約している 17%(うち50%は11月以降のもの)

3. 現在、イベントチケットを買うとしたらいつ以降を予定しているか 41%が4カ月以上先

4. 劇場が再開したらすぐに行く 19%

5. 安心のために客席数制限は必要だ 76%

6. イベント再開後も、各団体は厳しい経済状況がしばらく続くと予想される。その対策として以下、適当なものはどれか

・チケット代を上げる 18%
・チケットごとに復興チャージを課す 30%
・予約ごとに復興チャージを課す 36%
・予約時に寄付のオプションを設ける 79%

この結果を見てどのような感想を抱くだろうか。「劇場が再開したらすぐに行く」と答えた人が19%しかいないことに驚きを感じただろうか。英国は紳士の国であるし、日本人と近いある種控えめな「念のため精神」があるのかもしれない。

たとえば日本で同じ調査をした場合、「すぐに行く」と答える人は英国以上に少なくなることも考えられる。

文=長谷川 寧々

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