芸術は不要不急? 英米「コンサート行くか」アンケートに差くっきり


「劇場が再開したらすぐに行く」英国19%に比して米国は?


また、米国のAmerican Theatreが発表した「コロナが落ち着いたら、再びあなたは劇場に通うか?」というアンケートの結果も併せて紹介する。英米でぜひ比較してみてほしい。

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米国のアンケート、主な回答の結果(Image by American Theatre

1. 「劇場が再開したらすぐに行く」と回答した人は以下の通り

・ニューヨーク市 41%
・その他の地域 36%
・それ以外の人は3カ月〜半年は様子をみる、と回答。

2. 来シーズン(今年9月から来年6月)劇場に行く可能性について、「55歳以上」の感染リスクが比較的高い層の回答

・可能性が高い 21% 
・可能性はほとんどない 23%
・戻るとしても半年は待つ 45%
・劇場に再び通うようになったとして、頻度を増やす 11%
・減らす 45%

3. 年に4回以上劇場に通っていたコア層の回答

・今後劇場通いの頻度を減らす 28%
・増やす 41%。

ただしこの層の人たちも57%が数カ月様子見、25%が半年は様子見すると回答した。

4. 劇場通い再開のモチベーションになることは何ですか、という質問に対しての回答

・ワクチン完成後 64%
・劇場内全体が清潔に保たれ、公演前に毎回消毒がされている 50%
・ソーシャルディスタンスが保たれ、隣席が空席になっている 46%
・チケット代が下がる 44%
・劇場に隈なく消毒液が設置されている 43%

この調査を見ると、「劇場が再開したらすぐに行く」と答えた人が、英国の19%に比べ米国(ニューヨーク市)では41%と格段に多い。

ワクチンが完成しても━━


ただ、「ワクチン完成」を劇場通い再開のモチベーションとする人が「64%」は、予想よりも低いと感じるむきも多いのではないだろうか。日本であれば、ワクチンが開発され広まれば、多くの人が安心して劇場の再開を待ち望むようになるのではないかと想像する。

いずれにしろ、英米どちらの観客も、その多くは「すぐコンサートには戻れない」と感じていることが今回の調査で明らかとなった。「コンサートが恋しい」という感情を多くの人が抱いているものの、新型コロナウイルス感染へのリスクを考えると諦めるしかない......となってしまうのはもどかしい。

「3密」や「ソーシャルディスタンス」を意識せずに、思う存分コンサートを楽しめる未来が一刻も早く訪れることを願うばかりだ。

文=長谷川 寧々

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