アフターコロナは「どうなる」でなく「こうありたい」を
久山:2020年を迎えたときには、新型コロナウイルスにより世界中で人々の生活がこれほど変化するとは思いもよりませんでした。今後もウイルスと共生していく未知の将来に不安を感じます。コロナ後の社会はいったいどうなるのでしょうか。
高見:もう元には戻らないと気づき、それに不安を抱いている人も多いと思います。ここで重要なのは、受け身ではなく、コロナの前の社会よりも明るく「こうあってほしい」と思えるポストコロナ社会をイメージすることです。
今こそ、国・自治体の政治家・企業のトップリーダーは広い視野で、コロナ危機を解決すると同時に気候危機や生物多様性を守る社会のビジョンを描く必要があります。さらに、それを達成するために今から何をしていけばよいのかというロードマップを描き、アクションプランを立ててほしいですね。
高見幸子(たかみ・さちこ)◎1974年よりスウェーデン在住。1995年から、スウェーデンへの環境視察のコーディネートや執筆活動等を通じてスウェーデンの環境保護などを日本に紹介。元国際環境NGOナチュラル・ステップ・ジャパン代表。現在、ヨスタ・フロム森のムッレ財団副理事長、日本野外生活推進協会事務局長。幼児の自然環境教育「森のムッレ教室」の普及活動を支援している。「日本再生のルール・ブック」(海象社、2003年)「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」(共著・オーセス出版、2000年)「エコゴコロ」(共著・共同通信社、2006年)など(共)著書、訳書多数。
久山葉子(くやま・ようこ)◎スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト。高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。現地の高校で日本語を教えている。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』、訳書多数。