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2020.06.05 07:30

金融企業のAI導入を支援するNYのスタートアップ「Accern」の躍進

Getty Images

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かつてシティグループのファイナンス部門に務めていたKumesh Aroomooganは、毎日数時間を企業の財務レポートの分析に費やし、必要なデータをエクセルに貼りつけていた。

「それは気の遠くなるような手作業の連続の日々だった。この作業を自動化するツールがあればいいのにと思っていた」と彼は当時を振り返る。

そして2014年にAroomooganは、ニューヨーク大学でデータサイエンスを学んでいたAnshul Vikram Pandeyと共に会社を立ち上げた。そうやって生まれたのが、金融分野の企業向けにAI(人工知能)プラットフォームを提供する「Accern」という企業だ。

創業6年のAccernは先日のシリーズA資金調達で、1300万ドル(約14億円)を調達した。今回のラウンドを主導したのはFusion Fundで、Mighty Capitalやアラインツ・ライフ・ベンチャーズ、Vectr Fintech Partners、Viaduct Venturesらも出資に参加した。

同社のCEOを務めるAroomooganによると、Accernは今後、調達した資金を用いてコードの知識が無くても使えるAIプラットフォームの開発を進め、データサイエンスの民主化に乗り出すという。

AccernのAIプラットフォームは自然言語処理と予測分析に対応し、ワークフローの自動化や、投資の際のリスク査定及び与信が行えるという。

例えば10億件以上の公開されたニュースをインデックス化することも可能で、そのデータをベースにヘッジファンドが投資判断を行うことも出来るという。

Accernは企業が処理するデータ量に応じて利用料を徴収しており、現状の顧客としては保険会社のアリアンツや投資会社のジェフェリーズ、IBMやグーグルの金融サービスチームがあげられる。

ニューヨーク本拠のAccernは30人を雇用しており、その大半がデータサイエンティストとエンジニアたちだ。

AroomooganとCTOのVikram Pandeyらは、今から2年前のフォーブスの「30アンダー30」に選出されていた。

今回のシリーズAを率いたFusion Fundの創業者のLu Zhangも、2017年の30アンダー30のベンチャーキャピタル部門に選出されていた。Accernは前回のシードラウンドで150万ドルを調達しており、今回調達した1300万ドルとの合計で、累計調達額は1500万ドル(約16億円)近くに達している。

編集=上田裕資

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