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2020.04.26 08:00

あの社会起業家がカリスマ投資家から会得した「好き」の教え #新しい師弟関係

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長の藤野英人と、エシカルジュエリーブランド「HASUNA」創業者の白木夏子

レオス・キャピタルワークス代表取締役社長の藤野英人と、エシカルジュエリーブランド「HASUNA」創業者の白木夏子

新型コロナウイルスの影響で、人との物理的な距離感、コミュニケーションの仕方が変わるなか、「いかに人間関係を育むか」は、この先の大きな論点のひとつだろう。 4月25日発売のフォーブス ジャパン6月号では「新しい師弟関係」に焦点を当て、全55組の師弟を紹介。本誌掲載記事から一部抜粋でお届けする。



「誕生日はいつですか?」

レオス・キャピタルワークスの藤野英人は、ハスナ代表を務める白木夏子の名前を聞いて、思わずこう尋ねた。直感が働いたのだ。予想的中、2人は同じ誕生日だった。さらに、かつて同じ会社に所属し、共に名古屋で学生時代を過ごしていたことが判明した。エシカルジュエリーを10年前から広めている社会起業家と国内外の成長株を見極めてきたカリスマ投資家。偶然が重なり、親交を深めていく。「投資の神様」と慕う藤野に、白木はどのような教えを乞うているのか。2人の「学びの対話」を覗かせてもらった。 

白木:藤野さんにはプライベートから仕事のことまでいろいろなことを相談してきました。採用でうまくいかなかったときに「その人の同僚に評価を聞くといいですよ」と教えてもらったことがありましたね。 

藤野:僕は採用の際に、一緒に働いたことのある人に「あの人好き?」と聞いて、その反応をよく見ています。間髪を入れずに「好き」と返ってくれば、間違いないです。 
 
同僚として好感を持たれているなら、その人は「いいヤツ」で仕事もできる。いいヤツで仕事ができないときには 「いい人です」、いい人じゃないときは「仕事ができます」と言うでしょう。好き嫌いで選ぶことは実はめちゃくちゃ合理性があります。 

白木:私がまだ起業したての頃、周りは男性経営者ばかりで、彼らのロールモデルにぴったり当てはまらない自分を不安に思うこともありました。 特に初期の頃は、経済合理性を優先し経営者らしくいるべきなのか、自分の好きなものを追求するべきなのかをよく悩みました。そんな中で、藤野さんは働く上で自分の「好き」や「快適さ」を大事にすべきだと言ってくれたんです。 

藤野:自分の好き嫌いがはっきりしている人が好きですね。損得よりも大切だと思っています。僕は投資家なので最終的に損得にこだわらなくてはいけません。でも、逆説的ですが、結果を出すためには一つひとつの物や企業を目先の損得だけで判断したら、なかなか勝負に勝てません。

ところが、多くの人は親や学校の教育から、好き嫌いで判断することは良くないと教えられています。

これは日本の大きな問題で、日本は「いま働いている会社を好きですか?」と聞かれると「嫌い」と答える人が本当に多い。「自分の会社への信頼度」の調査で、中国やアメリカは80%くらいなのに、日本は55%と先進国でワーストクラスです。

なぜ好きじゃない会社にいるかというと、やめると損だからという人がいる。我慢しなくてはいけないときもありますが、根本的に物事は好き嫌いで選ぶべきなんです──(続きはフォーブス ジャパン 2020年6月号でお読みいただけます)。

なぜ、損得と常に向き合う投資家の藤野英人は、物事は根本的に好き嫌いで選ぶべきと語るのか。そのほか、マネーフォワードCEO辻庸介、マクアケ代表取締役の中山亮太郎、作家の辻仁成から政治家野田聖子まで、全55組の師弟関係を一挙公開。フォーブス ジャパン2020年6月号は4月25日(土)発売! ご購入はこちらから。



白木夏子◎1981年生まれ。国際機関、投資ファンドを経て2009年HASUNAを設立。 10カ国以上の宝石鉱山労働者や職人とともにジュエリーを制作し、エシカル(=道徳的、倫理的)なものづくりを実践。 

藤野英人◎1966年生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年独立・創業。株式投資信託「ひふみ」シリーズを運用。一般社団法人投資信託協会理事。

文=井土亜梨沙、写真=平岩享

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