良かった点は、豚や鶏、カモなどを含む家畜はウイルスに感染しにくいことが判明したことだ。こうした家畜が新型コロナに感染しやすいならば、これまでに多くの感染や死が確認されただろう。
同研究では、フェレットが鼻腔内に投与されたウイルスに感染しやすいことが判明した。フェレットはまた、インフルエンザやその他の呼吸器系ウイルスにも感染しやすかった。
猫も鼻腔内にウイルスを投与することで感染した。ウイルスはその後、気道や排せつ物から検知された。最も興味深く衝撃的だったのは、隣のケージに入っていた感染していない猫も感染したことだ。これは人の間と同じように、小さな飛沫(ひまつ)によるものだと思われる。
また、若い猫は年老いた猫よりもウイルスに感染しやすいようだった。
ウイルスを鼻腔内に投与された3匹のビーグルの間でも、感染したことを示す抗体が作られた。しかし、隣にいた他の2匹のビーグルは感染しなかった。
他には、少数の豚や鶏、カモもウイルスの鼻腔内投与を受けたが感染しなかった。ドイツにおける調査でも同様の結果が出ており、家畜は人に対する感染リスクにならないとされている。ジョンズ・ホプキンス大学のメーガン・デービス博士は「フェレットはインフルエンザ研究の特に有用なモデルで、フェレットが感染しやすいことは、研究者がフェレットを新型コロナウイルスの動物モデルとして使えることを意味しているかもしれない」と述べた。
この発見の重要性は?
新型コロナウイルスは現在、コウモリ由来のものと考えられているが、コウモリと人間の間の橋渡しとなるような「中間宿主」が何かは分かっておらず、それが感染の重要な保有宿主になるかもしれない。
これまでベルギーでは、女性がペットの猫に新型コロナウイルスを感染させた珍しいケースが発生した。また先日は、ニューヨークのブロンクス動物園でトラやライオンが飼育員から感染したケースもあった。
私は米国獣医師会(AVMA)のジョン・ハウ会長から、獣医サービス企業のアイデックス・ラボラトリーズが数千匹の犬の間で新型コロナウイルスの存在を調べたところ感染は確認されなかったと語った。同社はこれまで、17カ国の病気の犬や猫のサンプルを試験してきたが、感染は確認されていない。