ハウ博士は、家畜から同ウイルスが人に感染することは懸念していないと述べている。(もしかしたらフェレットは除くかもしれない)。大きなリスクが存在するのであれば、これまでに感染が広がりを見せているはずだ。「人から人への感染が主要なけん引要素であり続けている」と述べた博士は、猫同士や猫から人への感染が増えていないことを考慮し、猫が中間宿主ではないと考えている。
ワクチンと抗ウイルス性薬物治療のより良いモデルを開発するには、ウイルスがどのように異なる動物に影響を与えるかを理解することが重要だ。
私が、新型コロナウイルスに感染したブロンクス動物園のトラ「ナディア」について投稿した後に最も多く受けた質問は「なぜ自分が検査を受けられないのに動物が検査されているのか?」だ。
動物が検査を受けている理由は2つある。一つは上記のように、どのような動物が保有宿主になり得て人に感染させるリスクがあるかを知ることが必要だからだ。もう一つは、動物は獣医研究室で異なる方法により検査されているため、人間用の新型コロナウイルス試験の利用可能数を減らすことはないためだ。
ペットとの接触から人が新型コロナに感染するリスクは?
犬が公園で触れ合うのと同様、人もペットと絆を培い交流するため、私はハウ博士にこの点について尋ねた。ハウ博士は「コロナウイルスは滑らかな表面にとどまるが、ペットの毛はとても通気性が良く、ウイルスを閉じ込める傾向がある。毛からウイルスを拾うのは非常に難しいだろう」と述べたが、人間の飼い主も集まるような「多くの犬がいる場所やドッグパークには行くべきではない」と認めている。
配達担当者(外出禁止令が発令された地域で接触するほぼ唯一の人となった)が犬を触り、そこから自分も感染する可能性が少し心配されているが、ハウ博士はこの可能性は低いと述べ、犬に対して誰かがせきやくしゃみをしたかもしれない場合はクロルヘキシジンのような薬用シャンプーを使って犬を風呂に入れることを推奨した。
しかし現時点では、目にしたペットを片っ端からなでて安心したいという衝動を我慢すること。それができなければ、ただひたすら手を洗うこと。今の時点では、人よりも、人以外の動物を相手にする方がはるかに安全なはずだ。