テクノロジー

2020.04.12 07:30

米国の宇宙開発に新時代、スペースXの初有人飛行が来月実施

Photo by Bill Ingalls /NASA via Getty Images


宇宙飛行士1人につき60億円の打ち上げ費用


これらの2社は合計80億ドル近い資金をNASAから与えられ、打ち上げの準備を進めてきた。スペースXとボーイングに与えられた予算はそれぞれ、31億ドルと48億ドルとなっている。ただし、これらの2社の打ち上げコストはロシアのソユーズを下回り、クルードラゴンの場合は1人あたり5500万ドル(約60億円)、Starlinerの場合は7000万ドルとされている。
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NASAがこの2社に対する投資を回収するのは、当面先になりそうだが、重要なのは米国が自国のテクノロジーで、宇宙飛行士を宇宙に送り出すことだ。オバマ政権が2010年に策定した商業乗員輸送開発プログラム(Commercial Crew Development)が、ようやく実を結ぶことになる。

ただし、今回をもってNASAとソユーズの関係が、完全に終わる訳ではないようだ。NASAの広報担当は、WIREDの取材に、「現在もロスコスモスとの間で追加の打ち上げに関する協議を進めており、我々は今後もロスコスモスを含む世界のパートナーたちと、共同で宇宙開発をおこなっていく」と話していた。

それでも、ISSへ向かう有人飛行をソユーズが独占していた時代が終了を迎えることは、ほぼ確実だ。有人宇宙ロケットの打ち上げを、ロシアに頼るしかなかった時代が終わり、米国の宇宙開発は新たな時代を迎えようとしている。

編集=上田裕資

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