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2020.04.08

「巣ごもり仕事」6つの極意。テレワーク20年のプロ、人気翻訳家に聞く

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3.家族と過ごすときも、そばに仕事の書類や本を置いておく。


私はよく「お守りみたいなもの」と言っているのだが、3カ月(実際には編集もふくめて1年以上)お付き合いする本なので、家族の一員だと思って扱っている(旅行にもキャンプにも持参する)。家族と過ごすときも、仕事のことを忘れていませんよ、と誰かに表明しているのか言い訳のつもりなのかは自分でもよくわからない。しかし、内容を取りだして家族との会話に使ったり、率直な意見をきいたりできることが、「自分の仕事が誰かとつながっている」という安心感になり、仕事にもプラスになっているように思う。

4.早朝の時間をご褒美に使う。


私的には午前3時から6時がゴールデンタイム。みんなが寝ている時間をひとり占めできるし、寝ている間に脳の掃除が終わっている(睡眠中に老廃物が除去される)ので、スッキリした頭で作業にかかることができる。友人に手紙を書いたり、趣味の楽器を演奏するための楽譜を書いたり、前日終わらなかったノルマを追い上げたり。でも、あくまで「ご褒美」の時間なので、疲れている時は無理に起きずに、ゆっくり眠るようにしている。



5.家事のときは家事だけに集中する。


家で仕事をしていると、家事がおっくうになりがちだが、逆に「家事はチャンス!」と思って、ウキウキしながらおこなうようにしている。何のチャンスかというと、マインドフルネスとエクササイズ。掃除や洗濯はストレッチと筋トレを兼ねられるし、ひとつひとつの作業を丁寧に行うと、「今、ここ」に集中できるので、今はやりの「マインドフルネス」が実践できる。また、料理は脳を活性化させるそうだが、料理に集中していると、確かに頭がすっきりしてくるのがわかる。

6.できないときは、あきらめる。


できないときは、無理をしないで思い切って休む。休むのも仕事のうち。午後も夜も明日もあさっても、すべて自分の時間なのだから。そういえば大学以来の友人に「マミちゃん(←私)は、自分の時間がない!って言ったことがないね」と、この前言われて気づいたが、私にとっては「仕事も趣味も家事も子育ても、ぜんぶ自分の時間」だ。もちろん、ダラダラしたり遊んだり、自分を甘やかすのも自分の時間。そう考えると、大切にダラダラしようって思えるのだ。

そんな20年間を送ってきた私だが、今、仕事がなかなかはかどらず、「6」になる日が多い。心穏やかに過ごせるからこそ、楽しく引きこもっていられるのだなあと、実感している。どうか早く新型コロナウィルスが収束して、みんなの安心が戻ってくるようにと願っている。


鹿田昌美氏(c)Taro Yoshida

文=鹿田昌美

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