金儲けがビジネスを駄目にする理由

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大きな収入源となる上顧客を引き付ける技を身に付けたら、次に目指すべきは、自分なしでも稼げる仕組みを作ることだ。

このトピックについて知恵を与えてくれるのが、クランクセット・グループの創業者チャック・ブレイクマンだ。彼は4大陸を股にかけ、8つの産業で12の事業を立ち上げた。そして今は自分の経験をもとに、企業を目指す人やビジネスリーダーに対し成功の秘訣(ひけつ)を伝授している。

アリゾナ州で今年1月に開かれたコンサルタント会議で講演したブレイクマンは、小規模企業は30年間地道に続けねばならないという通説を否定。3~5年で上顧客を獲得し、独り歩きしてくれるビジネスを育てられると語った。「ビジネスは、金だけではなく、時間と金の両方を生み出すべき」

ブレイクマンは数十年に渡り、企業顧問として戦略計画、リーダーシップ、マネジメント、組織再編、チームビルディング、意思決定、インセンティブなどについて助言してきた。「組織は今、無理やり作られたトップダウンのヒエラルキーから、より有機的かつ平面的なリーダーシップや、行動を起こすべく解放されたチームのネットワークへと置き換わりつつある」とブレイクマンは言う。

さらに彼は、平面的な関係性をより重視するようになっても業績が落ち込むことはなくむしろすぐに上昇すると指摘。小規模のコンサルティング業であっても、ミッションを重視した組織に転換していくべきだと主張している。

「所属する部門や上司に対する忠誠は、不健全な競争を生み出し、コミュニケーションや協力関係、職務を超えたつながりが欠如する非建設的な状態を生む」と言うブレイクマンは、最近のトレンドを「参加の時代」と呼んでいる。皆が第一に忠誠心を持つのはミッション、つまり、組織が顧客に対して提供したい成果や結果だ。

「誰しもが例外なくリーダーだ」とブレイクマンは断言。「ミッション中心の企業では、リーダーシップとは他者の生活や環境やパフォーマンスを向上させる行為のこと。つまり、誰もがリーダーになれる」
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編集=遠藤宗生

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