ブレイクマンが提唱するのは従来型のマネジメント構造ではなく、「分散型意思決定」と呼ぶやり方だ。これは「参加の時代」の企業が持つシンプルかつエレガントな中核的慣習で、各従業員に意思決定の裁量を与える代わりに、決定事項を必ず遂行させる。一部企業では既に数十年前から実践されてきたこの手法は、「参加の時代」に適応しようと急ぐ企業の意思決定に大きな革命を起こすだろう。
「マネジメントは、例外なく排除しなければいけない。マネジャーというのは、絶望的に壊れた構造の中にいる善良なる人々だ。頼るべき相手を“上司”から同僚へと移行するための新しい慣習やツールを導入し、トップダウンの構造から平面的な関係性へと直ちにシフトすべきだ。人々をマネジメントするために作られた従来の組織は、仕事の非人間化に中心的な役割を果たしている。7万5000人の従業員を擁するハイアールなどの企業ではマネジャーを置いておらず、この構造が実現可能であることを示す例になっている」
これについてもっと知りたい人には、ブレイクマンのほか、マイケル・ガーバー、アリソン・マスランの著書をお勧めする。