トランプはその後も石炭業界を支援し続け、業界の元ロビイストを環境保護庁長官に指名までした。
炭鉱労働者は、米国でもっとも勤勉な人々かもしれない。彼らは、非常に危険で劣悪な労働環境で日々仕事をしている。不運なことに、市場の力と気候変動への懸念の高まりによって、彼らの業界は痛手を負った。トランプの願望と政策は、業界のさらなる没落を食い止めるのがやっとだ。一方、成長分野である再生可能エネルギーへの投資を行わなければ、雇用は伸び悩み、環境に負の影響が及ぶだろう。
過去3年間、石炭業界の雇用は減少している
企業の被雇用者が1億2900万人を超える米国で、炭鉱労働者はわずか5万人あまりしかいない。労働者全体の0.04%だ。トランプ大統領の就任後、炭鉱労働者は数千人単位で微増したが、最新の雇用統計によれば、現在の労働者数は3年前を下回っている。この間、雇用総数は640万人以上も増加した。
季節調整後の炭鉱労働者数は以下の通り:
・2016年11月:50400人
・2017年1月:50900人
・2020年2月:50600人(トランプ大統領就任以来300人減)
季節調整前の炭鉱労働者数は以下の通り:
・2016年11月:50700人
・2017年1月:51000人
・2020年2月:50100人(トランプ大統領就任以来900人減)
石炭株の動向
ダウ米国石炭インデックスは、石炭業界の平均株価だ。トランプ大統領が当選した2016年11月、平均株価は45ドル前後だったが、2020年3月6日の終値は8.57ドル。約80%の下落だ。
トランプ大統領の在職期間中も、多数の炭鉱が閉鎖され、石炭企業の倒産が相次いでいる。業界に明るい見通しはほとんどない。