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(c)FAO/Sven Torfinn. 2020年1月、ケニア北東部を襲ったサバクトビバッタの大群。

アフリカ東部でサバクトビバッタが大量発生し、食糧安全や経済活動に影響を及ぼしている。国連食糧農業機関(FAO)によると、ソマリアとエチオピアでは25年に一度、ケニアでは70年に一度と呼ばれる大規模な群れが襲来、ソマリアでは国家非常事態宣言も発表されるほど、深刻な事態だ。

「蝗害」とも呼ばれるバッタの大量発生。日本では近年、大規模な被害は起きておらず想像しづらいが、公開された動画をみると、そのすさまじさがわかる。大地や樹木、空を埋め尽くすおびただしいバッタの大群。飛び去った後は、無残に食い荒らされた裸の大地しか残らない。サバクトビバッタの群れはアフリカ東部だけでなく、中央、西アフリカにも広がっており、FAOは各国に7600万ドルの緊急支援を呼びかけている。

いま東アフリカで何が起きているのか。そもそもなぜ、こんなに増えたのか。やっぱり気候変動のせいなのか? 日本人で唯一、アフリカでサバクトビバッタを専門に研究している、国際農林水産業研究センター(国際農研)研究員の前野浩太郎氏に解説を求めた。

緊張が高まる現地



現在は研究に専念するため、取材を控えている前野氏。東アフリカでの大発生を受けて、特別にForbes JAPANの取材を引き受けてくれた。

前野氏は、著書『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書刊)の表紙で、全身緑色のバッタの衣装(バッタを捕獲するための戦闘服でもある)を披露するほどのバッタ好き。子供の頃から「バッタに食べられたい」と夢見ていたという。

昆虫学者を志して大学院で博士号を取得し、2011年から14年まで西アフリカのモーリタニアでサバクトビバッタの防除技術の研究に従事。その研究の日々と生活をユーモアたっぷりに綴った同著が新書大賞2018を受賞し、20万部突破のベストセラーになった。

現在は国際農研に在籍し、アフリカでフィールドワークをしながら日本で研究を続けている。いま、被害はどれほど深刻なのだろうか。前野氏自身は、今回の東アフリカの現場はまだ見ていないと断った上で、FAOの資料をもとに説明してくれた。

文=成相通子

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