TIAA研究所(TIAA Institute)と、ジョージ・ワシントン大学グローバル金融リテラシー・エクセレンスセンター(Global Financial Literacy Excellence Center)が行なった研究では、「そうしたサービスに伴う高額の手数料や高い金利(400%を超えることもある)が、ミレニアル世代の金銭面の苦境を生み出し、悪化させる可能性がある」と警告されている。
この報告書によれば、2018年には、18歳から37歳までの成人のうち43%が、ペイデイ・レンダーや質屋などを利用していた。それに対して、同じ年齢層を対象にした2009年の調査では、この割合は26%にとどまっていた。
今回の調査では、ミレニアル世代は、2009年の若年成人層と比べて、費用のかかるクレジットカードの使い方をしている人が多いこともわかった(2009年の54%に対して60%)。
全体としてミレニアル世代は、38歳から64歳の年齢層に比べて、費用のかかる金銭管理行動をとることが多いと報告書の著者たちは述べている。にもかかわらず、金融教育を受けた人は旧世代よりも多い(旧世代の24%に対して40%)。
著者たちによれば、ミレニアル世代には、自分のもつ金融知識を過信する傾向があるという。ミレニアル世代の62%は、自分の金融知識を「高い」もしくは「きわめて高い」と評価しているが、金融リテラシーに関する基礎的な質問3問に正しく答えられた人は19%しかいなかったと著者たちは指摘している。
2018年の調査では、ミレニアル世代は38歳から64歳の層に比べて、以下のような「費用のかかる金銭管理行動」を頻繁にとっていた。
─当座預金口座からときどき金を引き出す(旧世代の18%に対して29%)
─クレジットカードの支払い遅延手数料を支払う(旧世代の15%に対して27%)
─クレジットカードの限度額超過手数料を支払う(旧世代の8%に対して20%)
数字の差はそれほど大きくないが、報告書によれば、非常時のための資金をためている人も、ミレニアル世代(41%)では上の年齢層(45%)より少ないという。
また、2018年に支出が収入を上回った人も、ミレニアル世代のほうが旧世代より多かった(旧世代の18%に対して25%)。
ミレニアル世代、とりわけ28歳から37歳までの人たちが、請求書の支払いに「ある程度苦労している」もしくは「とても苦労している」と答えているのも意外ではない、と著者たちは指摘している。
この報告書は、米国財務省と、金融リテラシーに関する大統領諮問委員会との連携のもと、金融取引業規制機構(FINRA)投資家教育基金が実施した、2018年版および過去版の「米国金融能力研究」(National Financial Capability Study)のデータに基づいている。