こうした著しい進歩が起きる一方で、衝撃的な調査結果が最近発表された。アリアンツ生命保険会社の委託で行われた「The 2019 Women, Money, and Power Study(2019年女性・金・権力調査)」によれば、ここ数年、女性のエンパワーメントが注目されてきた一方で、女性の金融リテラシーはあまり進歩していない。
女性が真のエンパワーメントを得るには、金融リテラシー格差の解消が不可欠だ。以下に、その根本的な理由を挙げる。
・女性の方が長生きする
米疾病対策センター(CDC)の報告書によると、米国での男性の平均寿命は約76歳なのに対し、女性は81歳余りだ。つまり、引退後の人生計画は、女性にとってより重要になる。
医療費もまた、経済的懸念になる。米国アルツハイマー病協会によると、65歳以上のアルツハイマー病患者5300万人の62%が女性だ。女性が75歳になるまでに生活支援が必要になる確率は70%。女性は将来に備えて金銭面での計画を立てる必要がある。
・財布のひもを握るのは女性
今後2世代の間に、富の70%を女性が相続すると予測されている。これには、増加傾向にある女性自身の稼ぎは含まれていない。女性はすでに米国内の投資可能資産の半分以上を所有しており、2030年までには米国内の富の約3分の2を手にすると予想されている。女性は正しい資産管理方法を学ばなければならない。
・女性は経済的平等を得るべき
女性は男性と比べ平均で80~82%の収入しか得ておらず、男性との差は年間9308ドル(約100万円)に上る。これは生涯収入で45万6092ドル(約4900万円)の差となる。女性の勤続年数は男性に比べ平均12年短く、結果として生涯年収も男性より低い(そのため、年金受給額も少ない)。
私的資産の管理方法を理解することで、女性は生涯を通じ、経済的決断がよりうまくできるようになる。さらには、自分の市場価値の理解も深まる。こうした情報は最終的に、男女間の収入格差削減につながる。