日本が世界に誇る、歴代アカデミー賞受賞者 最多受賞は映画界を席巻したあの人

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現地時間2月9日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される世界最高峰の映画の祭典「第92回アカデミー賞授賞式」。作品賞、主演男優賞、主演女優賞をはじめ、全24部門の受賞者・受賞作が発表される。

第92回となる2020年は、日本でも話題となった『ジョーカー』やロバート・デ・ニーロ主演の『アイリッシュマン』、カンヌ国際映画祭で作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』などが作品賞にノミネート。どの作品がアカデミー賞に輝くのか、世界中から注目が集まる。

また、日本出身のメイクアップアーティスト・辻一弘が特殊メイクで参加した映画『スキャンダル』がメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート。辻氏は『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』で、第90回アカデミー賞の同賞を日本人として初めて受賞している。

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辻一弘 / GettyImages

オスカーに輝いた日本人/日本の作品


これまでアカデミー賞を受賞した日本人や日本映画はどんなラインナップだっただろうか。日本が世界に誇る受賞者と受賞作品を、日本映画が初受賞した1952年から振り返っていきたい。

1952年(第24回)『羅生門』 外国語映画賞


1950年8月に公開された映画。監督は黒澤明、出演は三船敏郎、京マチ子など。日本映画として初めてオスカーを受賞し、日本映画が世界から注目されるきっかけを作った名作である。

1955年(第27回)『地獄門』 外国語映画賞・衣装デザイン賞


カンヌ映画祭でグランプリに輝いた後、アカデミー賞で外国語映画賞と衣装デザイン賞を同時受賞した名作。監督は衣笠貞之助、出演は長谷川一夫、京マチ子など。和田三造が手がけた衣装デザインは、色彩の美しさが高く評価された。

1956年(第28回)『宮本武蔵』 外国語映画賞


何度も映画化されている吉川英治の長編小説『宮本武蔵』の、戦後では最初の映画化作品で、1954年9月に公開された。監督は稲垣浩、出演は三船敏郎、八千草薫、三國連太郎など。剣豪・宮本武蔵をテーマとした作品は、2019年の『武蔵 むさし』など、現在でも誕生している。

1958年(第30回)『サヨナラ』 ナンシー梅木 助演女優賞


戦後、タブー視されていたアメリカ人兵士と日本人女性の愛を描いた作品で、計10部門でノミネートされた。この作品がスクリーンデビューだったナンシー梅木(ミヨシ・ウメキ)が助演女優賞を受賞。東洋人の俳優として初のオスカー受賞という快挙だった。

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ナンシー梅木 / GettyImages

1976年(第48回)『デルス・ウザーラ』 外国語映画賞


1975年に公開された、ソ連と日本の合作映画。黒澤明が監督を務めた。地誌調査のためにシベリアに出向いた探検家と先住民の狩猟師の交流を描いたストーリーとなっている。

1986年(第58回)『乱』 ワダ・エミ 衣装デザイン賞


『乱』は、1985年に公開されたフランスと日本の合作映画。監督は黒澤明、出演は仲代達矢、寺尾聰など。衣装を手がけたワダ・エミが衣装デザイン賞に輝いた。オスカー受賞後は、アカデミー賞の投票権を持 つ数少ない日本人のひとりとなった。

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ワダ・エミ / GettyImages

1988年(第60回)『ラストエンペラー』 坂本龍一 作曲賞


中国最後の王朝・清の最後の皇帝で、後に満州国の皇帝となった愛新覚羅溥儀(あいしんかくら・ふぎ)の生涯を描いた映画。イタリア、中国、イギリスの合作で、1987年に公開された。坂本龍一がデイヴィッド・バーン、蘇聡と共に手がけた音楽は世界で高く評価され、日本人で初めてアカデミー賞作曲賞を受賞した。

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坂本龍一 / GettyImages

1990年(第62回)黒澤明 名誉賞


名誉賞は映画界に卓越した功績を残した人物に授与される賞で、第62回のアカデミー賞では「世界のクロサワ」こと黒澤明監督に送られた。『七人の侍』『羅生門』『生きる』など多くの名作を生み出した映画界の巨匠は、スティーヴン・スピルバーグや北野武などの映画人に多くの影響を与えたとされている。

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黒澤明 / GettyImages
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文=長澤史佳

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