結果は、たとえば「将来の夢を持っている」について、他国が「すべて80%以上」のなかで日本は60.1%、「自分で国や社会を変えられると思う」も他国に比して突出して低い18.3%(アメリカ 65.7%)というものだった。また「自分の国の将来は良くなる」と答えたのはわずか9.6%(中国 96.2%)など、驚くべき数字となった。
なぜなのか。ロングセラー『「普通がいい」という病〜「自分を取りもどす」』や『仕事なんか生きがいにするな:生きる意味を再び考える』などの著書で知られ、独自の療法で多くの患者の再生を助けてきた精神科医の泉谷閑示氏に、その理由を訊いた。
人間も、かつては空腹につき動かされ、食糧を求めて行動していたが、物質的にある程度満足し、「絶対的な欠乏から解放された」ことでその行動原理は変わったとする泉谷氏は、この「ハングリー・モチベーション」時代の終焉と「18歳意識調査」の相関をどう読み解いたのだろうか。
今回の調査の結果で、「自分を大人」「責任ある社会の一員」と考えている日本の若者は約30~40%と、他国の3分の1から半数近くにとどまり、「将来の夢を持っている」「国に解決したい社会課題がある」との回答も、他国に比べ30%近く低い数字となっている。
さらに「自分で国や社会を変えられると思う」は5人に1人、日本以外ではもっとも低い韓国と比べても半数以下であった。
また国の将来については「良くなる」の回答率9.6%は9カ国中最低、トップの中国(96.2%)の実に10分の1だ。逆に「悪くなる」の約38%は9カ国中トップだった。
ちなみに、各国のサンプル抽出方法について、日本財団に問い合わせたところ、日本国内はインターネットパネルに登録している17歳〜19歳から1000名を集めたとのこと。また海外の8カ国については、同じインターネットパネル会社から提携関係にある各国のインターネットリサーチ事業者に依頼をかけ、各国1000名ずつ集めたとの回答であった。