3.「新たな」交通手段への関心が高まる
これは、「グレタ・トゥーンベリ効果」と呼んでもいいかもしれない。飛行機の利用は環境破壊に加担することになるので恥ずかしいという意味の「フライト・シェイム」という言葉がますます叫ばれるようになり、人々はいままでとは異なる移動手段に目を向けるようになっている。
ヨーロッパでは、気候変動を抑制しようとする人たちが、国内航空路線の利用を減らすようになっていると報じられている。フランスでは一部の国会議員が、国内航空路線の大半を禁止する法案を提出した。
ブッキング・ドットコムによると、旅行者の半数以上が、ほかでは見られない独特の交通手段で旅行できるのであれば、目的地までの移動時間が長くなってもかまわないと答えている。消費者は、自らが環境に与える影響について以前よりも考慮するようになっており、列車や船といった、環境負荷の少ない昔ながらの移動手段を利用することへの関心が高まるだろう。
4.徒歩や自転車の旅行が普及する
アメリカ西海岸を南北に縦走する長距離自然歩道「パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail)」や、スペインの巡礼地「カミーノ・デ・サンティアゴ(Camino de Santiago)」といった美しい道をたどる徒歩旅行から、アイルランドや台湾などの風光明媚な場所をめぐる自転車旅行まで、体を動かす旅行がブームだ。
数字もそれを裏づけている。イギリスの自転車旅行専門サイト「Saddle Skeddaddle」では、2014年から2018年にかけて、北米からの自転車旅行の予約が140%増加したという。
体を動かす旅行が人気になっていることで、旅行者にとっては選択肢がこれまでにないほど多様になった。たとえば、自転車と船でめぐるクロアチアの旅や、泳ぎを楽しむモルジブやバハマの旅はいかがだろうか。
旅に出て汗を流したいと思っていた人にとって、2020年はラッキーな年のようだ。