ビジネス

2020.01.08

採用では動きが遅い。「副業人材と企業」をつなぐクラウドワークスの狙い

クラウドワークス取締役副社長兼COO 成田修造


1000万人が副業する時代がやってくる

人と仕事(タスク)が繋がるクラウドワークスと、人と人が繋がるクラウドリンクス。両者の違いについて、成田は「顔が見える世界観」と言う。

「クラウドワークスは匿名で個人情報は伏せる形にし、タスクベースで仕事に取り組みますが、クラウドリンクスは職歴や経歴などのプロフィールを細かく書く必要があります。転職領域においてはビズリーチがそうだと思うのですが、副業・兼業の領域でその世界観を目指していきたい。クラウドリンクスは人と人のマッチングなので、情報の質がとても重要。プロフィールはきちんと入力してもらえるような設計にしています」(成田)

また、クラウドリンクスを活用することで働く側のキャリアの形、企業側の採用の形も変わってくる、と成田は考えている。例えば、いまは次のキャリアを考える上で今の会社に残るか、次の会社に行くか、0か100しか選択肢がない。しかし、クラウドリンクスを使えば、週4で今の仕事をやりつつ、週1は別の会社を手伝うことも可能になる。

「働く人のキャリアはもっとグラデーションがあっていいと思います。他の会社を手伝いながら自分のやりたいことが見つかってくる。そんな世界観もあっていいと思うんです。転職の事前準備として副業が活用されるようになったら、いいと思います。そうなれば、企業側も一緒に仕事をすることで会社に合うかどうか判断できるので、採用のミスマッチも起きにくい。結婚の前には付き合うフェーズがありますが、転職活動にはない。そういったものが副業を活用して、出来るようになると思います」(成田)

実際、クラウドリンクスはフレキシブルワークを前提としたマッチングサービスとなっており、正社員募集の求人掲載はできないが、稼働開始後に、双方の合意が取れれば正社員への切り替えは問題ないという。

今後の展開について、成田は「ステップを踏んで、サービスを成長させていく」と語る。まずは企業アカウントの数を100社まで伸ばし、その後にマッチングの事例を100個ほどつくっていく予定だという。

「その次が大企業の副業・兼業人材の活用です。今後、大企業の副業・兼業人材は人増えていきますが、この人たちはまだ全然マッチングできていない。そこのマッチングが実現できれば、大企業の人材の流動化が図れるので、日本が変わっていくはずです。いま、日本の生産人口は7000万人で、個人的には10〜20%が副業する時代になると思います。1000万人が副業する時代において、友だちの友だちの会社を手伝う世界も素晴らしいと思いますが、私はn対nで企業と個人がつながった方がより経済的なインパクトが出せると思います。大きなチャレンジになると思いますが、そんな世界の実現を目指していきたいです」(成田)

文=新國翔大 写真=小田駿一

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