呼吸スキルを高める、年末年始に身につけたいコンディショニング術

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前回のコラムで、健康的な生活の第一歩として、呼吸を整える大切さについて書いたところ、「1日2〜3万回も呼吸しているとは思わなかったので意識してみます」「呼吸しているのは当たり前なので、いままで考えることはなかった」「腹式呼吸に囚われていたが、胸式呼吸の大切さもわかった」など、多くの反響をいただきました。

とはいえ、なかなか呼吸を意識するのは難しいものです。例えば、いま、このコラムをあなたが首を曲げながらスマホを覗き込むようにして読み、猫背になっているとしたら、呼吸が浅くなっている可能性が高いのです。

そんなときは、胸や肩甲骨の周辺を定期的に動かすことで、呼吸筋を活性化させる「呼吸筋体操」を試してみてください。呼吸を深くゆっくりとしたものにしてくれます。



信長は能を舞い、呼吸を整えた

また、呼吸を整えることともに大切なのは、予防です。そもそも呼吸が浅くなったり、乱れたりしまわないように工夫することが大事になります。

私の場合、朝寝坊しようものなら、午前いっぱい呼吸が浅くなり、落ち着きがなくなります。落ち着きがなくなると、タイピングの誤字脱字が増えるなど、小さなミスが増えたり、集中力が散漫になったりして、ワークパフォーマンスが低下します。

皆さんも、呼吸が浅くなっていることを実感されたことがあるのではないでしょうか。例えば、大きなプレゼンなど、緊張する場面で発言を噛んでしまったときは、呼吸が浅くなっていることを感じるはずです。

他にも呼吸が浅くなるシチュエーションは多々あると思います。心当たりがある人は、呼吸が浅くなりそうなときを意識し、まずはそれに気がつけるようになりましょう。そして、なぜそうなったのか、原因を深掘りして対処していけば、呼吸が整っている状態を長時間キープできるようになります。

以前、呼吸について調査しているときに、特定の分野の人の呼吸がとても深くゆったりしていることに気づきました。それは日本の伝統文化に携わられている人たちです。
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文=平井孝幸

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