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米国で2019年に大学に進んだ学生の数は、2018年との比較で約25万人近く減少したことが分かった。背景には米国経済の好調さと低失業率があるが、雇用者の給与水準は低く、長期的な賃金の上昇も期待できない。

このデータは米国学生情報センター研究所(NSC:National Student Clearinghouse Research Center)の調査で判明したものだ。

米公共ラジオNPRによると、経済の拡大につれて学業よりも就職を選ぶ学生が増え、大学入学者は減少する傾向にあるという。しかし、今年発生した雇用の大半を低賃金で将来的に昇給が見込めない職が占めており、就職した学生らは今後の数年で困難に直面するかもしれない。

出生率の減少や学費の高騰も大学入者の減少の一因とされるが、雇用者側は高スキルな人材不足に直面している。大学卒業者の平均賃金は、高卒よりも56%高いというデータもある。

11月の米国雇用統計は予想を上回り、失業率は50年ぶりの低水準だったが、全体の雇用の伸びは2018年から26%の減少となった。今後の貿易交渉の先行き次第で、2020年の経済が停滞する可能性もある。

NPRによると、以前に大学入学者が減少したのはリセッションが終了を迎えた2011年のことだったという。

大学卒業者は高卒に比べ、失業率が低く、景気の悪化を受けにくい傾向にあるとされる。一方で、大学に在籍したことはあるが学位を取得していないアメリカ人の数は、3600万人に達している。

CBSニュースによると、大学卒業者の平均賃金の伸び率は2017年に、10年前との比較で過去最大に達していたという。一方、大学を出ていない労働者の平均賃金は同期間で13%の減少になっていた。

ただし、建設業や電気エンジニアリング分野では職業訓練により新たなスキルを身につけることが、賃金の上昇につながることが確認されている。また、私立の4年制大学よりも学費が安いコミュニティ・カレッジにおいても、これらの職業的スキルを身につけることが可能だ。

編集=上田裕資

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