新鮮な環境で生産性とやる気が向上する可能性
天気の良い日にノートパソコンを持ち出して外で作業したことはあるだろうか? また、仕事場としてお気に入りのカフェはあるだろうか? そうであれば、働く場所を変えることで集中力向上につながることは、既に身をもって実感しているだろう。
この現象は「coffee shop effect(カフェ効果)」として知られている。場所を変えるだけで非生産的なルーティンを壊すことができるほか、神経可塑性(かそせい)の向上により生産性が改善し、情報保持能力向上も見込める。
ワーケーションでは、これと同じ概念をより大きな規模で適用することになる。海や山であれ、森や大都会であれ、行き先がどこであっても、新たな場所を経験することでエネルギーとモチベーションが上がる。また団体旅行の場合、新しい人と出会うことでさらに刺激を受けることができる。
デジタルノマド生活を“お試し”できる
デジタルノマドとしての生活は表向きはとても良いものに思えるが、自分が飛びつくべきものとは限らない。これは大きな変化であり、多くの場合、思っていたほどキラキラしたものではない。生活の全てをスーツケースに詰め込んで片道航空券を買う前に、まずは小さな規模で自分に合うかどうかを試してみよう。合宿プログラムに参加したり、自分でお試しのワーケーションを企画したりすればよい。
ワーケーションの人気はワークライフバランス欠如の表れ
一生懸命働くことは美徳と考えられることが多いが、その美徳はいとも簡単に不健康なものへと変わってしまう。仕事が家族との時間や自分の幸せよりも優先されることの代償は大きい。働き過ぎは心身の問題を生むし、対人関係を壊したりキャリアを台無しにしたりすることがある。仕事をいつでも持ち歩く必要があると感じている場合、あなたは単に割に合わない犠牲を払っている可能性が高い。
ワーケーションが効果的なのは生産的に働ける場合のみ
自分は仕事と遊びの間に明確な線引きがどうしても必要だという人もいる。また、充実したワーケーションを過ごすには、自分にとって最も大事なことに使う時間が十分とれている必要がある。それは家族と過ごす時間を増やすことだったり、ネットで経営学修士(MBA)を取得したり、地元の慈善団体を支援したりすることかもしれない。
また、安定したネット接続環境や、働くための時間、自分のニーズに合う作業スペースなど、生産的に働くために必要な全てのアメニティーがそろっていることも欠かせない。こうした要素のうち一つでも欠ければ苦労することになる。
あなたはワーケーションを取るべきだろうか、それともワークとバケーションを完全に分離する方が良いだろうか? その答えは、自分の期待値を管理し、適切な旅先を選び、仕事とプライベートの全般的なバランスをうまく取り、すべてことから距離を置くべき時期を見定めるあなたの能力にかかっている。