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2019.12.08 22:00

私たちはなぜ、前世紀の働き方を続けるのか?

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人気ファッションブランド「ザラ」を運営するインディテックスの従業員らは先日、長年にわたり求めていた権利をついに勝ち取った。同社では来年から、毎週金曜日の終業時間が午後3時となり、従業員は勤務シフトも午前9時~午後6時半と午前9時半~午後7時のどちらかを選べるようになるほか、移動手段も複数用意される。

これは、スペインに本社を置く多国籍企業である同社の従業員にとって重要な出来事だが、多くの業界ですでに広まっているフレキシブルな勤務時間を認めるトレンドの一部でしかない。例えばマイクロソフトは、これをさらに一歩進め、日本で週休3日制を試験導入した。その結果、生産性や従業員満足度の向上や、エネルギー費削減につながった。つまり、労働時間の短縮は生産性向上につながることが示唆されたのだ。

多くの場合、同一賃金で週休3日制を実現できるのは、ロボットの生産性の飛躍的向上の賜物だ。それ以外では、環境規制の厳格化により、温室効果ガス排出量を削減する必要性に駆られて導入する場合もある。あるいは単に、従業員のストレスを軽減する目的の場合もあるだろう。

悪名高い「996」(午前9時から午後9時まで週6日働くこと)を提唱していたジャック・マーですら、1週間の労働時間が12時間になるだろうと予想するようになっている。労働時間の短縮が生産性の向上につながり、環境への影響も低減できるという考え方は、ビジネス界全体に根付きつつある。

労働時間短縮のメリットに対する認知が広まると同時に、別のトレンドも出現している。それは、在宅勤務だ。コネクティビティー技術の向上が進み、5G通信技術が登場する中、課員がどこにいても働けるような仮想チームを作ることで、人材を引き付けて維持し、通勤によるストレスや生産性減退を軽減できるうえ、勤務時間の調整も容易になる。

この根拠を示した研究結果もある。独ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンが行ったこの研究では、目覚まし時計を使わないと起きられないような時間に働くと、体内時計とのずれが生じ、生産性が落ちる可能性があることが分かった。在宅勤務は生産性や仕事に対する満足度を向上させ、温室効果ガスの削減にもつながる。
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編集=遠藤宗生

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