Nuroとウォルマートは12月10日、今後数カ月以内に自動運転車両を用いた配送サービスを開始すると宣言した。価格は「手頃なもの」になるとされるが、明確にはされていない。
カリフォルニア州マウンテンビュー本拠のNuroは、グーグルの自動運転部門出身のエンジニア2人が2016年に設立した企業だ。同社は10億ドルを超える資金を、ソフトバンク傘下のビジョン・ファンドやGreylockなどから調達している。
ワシントン・ポストによると、Nuroはこれまでトヨタのプリウスをベースとした自動運転車両で、ヒューストンでのトライアルを進めてきたという。しかし、12月10日の発表で、同社が今後、「R2」と呼ばれる独自のカスタム車両を、現地に投入することが明かされた。
R2はデリバリー専用の小型の自動運転車両で、親しみやすい外観が特徴的だ。各車両は2つの荷物の収納庫を搭載しており、自宅の前に食品を積んだ車両がやって来たら、顧客は暗号キーをタッチスクリーンに入力し、積み荷を取り出す仕様となっている。
Nuroとウォルマートはこのサービスの始動にあたり、ヒューストン地区在住の顧客からの事前申し込みを受付中だ。R2を用いたデリバリーは現地の一部のウォルマートから実施される。2社は2020年後半以降に、このサービスを全米に拡大する計画という。
Nuroは自動運転車を用いた食品デリバリーを、アリゾナ州スコッツデールで2018年に9カ月間にわたって実施し、その際の料金は1配送あたり5.95ドルだった。同社はヒューストンで、ドミノピザのデリバリーも間もなく始動させる予定という。
ウォルマートのデジタルオペレーション部門を統括するTom Wardは、「当社は自動運転車両を活用したトライアルを通じ、このテクノロジーをいかに顧客のリアルなニーズに適合させていくかを探っていく」と述べた。