ソーシャルメディアをわずか数分見ているだけで、自分以外の全ての人が自分よりも健康的で裕福で、幸せだと信じ始めてしまう。これにより、心の健康には大きな影響が出る。研究の中には、フェイスブックを見ることで感じるねたみとうつ病を直接関連づけたものさえ複数存在する。
ソーシャルメディアを見ることで感じる羨望(せんぼう)や、あまりに長時間の使用は対人関係や健康、睡眠に悪影響が及ぼすことを理由とし、「電子機器が私たちの心の健康を損なっている」と主張する人たちは技術を避けることが多かった。
しかし、私たちの心の健康を損なっているのは本当に技術なのだろうか? それとも、私たちが技術をどのように使うかによってその有害さが決まるのだろうか?
実際、心を強くするためにデジタル端末を活用する方法は多く存在する。画面を見て過ごす時間を賢く使うことで、目標を達成して健康を改善し、より良い生活を送ることができる。
ここでは、心の筋肉をつけるためデジタル端末を活用する方法を3つ紹介する。
1. 心の筋肉をつけるためのツールを活用する
プラス思考を実践したい場合や瞑想(めいそう)の練習をしたい場合は、自己啓発目標を達成する役に立つアプリケーションをインストールしたり、インターネット講座を探したりする。
シンプル・ハビット(Simple Habit)やカーム(Calm)、Headspace(ヘッドスペース)は、瞑想とマインドフルネスを実践するアプリの一例だ。
また、スマートフォンを使ってセラピスト(療法士)と話すことさえできる。ベターヘルプ(Betterhelp)やトークスペース(Talkspace)を使えば、資格を持った心理療法士にいつでも好きなときに話しかけることができる。
毎日の生活でポジティブな気持ちを高めたい場合、ポジティブ心理科学に基づいた自己学習型アプリ、ハピファイ(Happify)が幸福感を上げる方法を教えてくれる。ハピファイは、家庭での争いや鬱(うつ)など人生の問題に取り組む使用者を支援をすることを目的としている。
デジタル端末を使って精神力を鍛えたい場合、いつでもすぐに使えるツールは多く存在する。ここに挙げたものは、ほんの一例でしかない。
2. ソーシャルメディアを使って真のつながりを作る
孤独は、1日に15本の紙巻きたばこを吸うよりも健康に悪影響をもたらすことが研究から示されている。ソーシャルメディアは皮肉なことに、デジタル化の前の時代よりも人を孤立させ、孤独をまん延させてきた。