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私たちは最近、プレゼンテーション後にある管理職の男性から「私は時に、部下に対して残酷に接する」と告げられた。「部下は私のことをよく知っていて、しばらくするとそのことについては忘れる。こうすることで、気を引き締めさせておくことができる」のだという。

従業員に仕事で「気を引き締めさせて」おくというのは良いことだ。ただ、それはその意味が「最高の成果を出せるよう従業員の気分を上げておく」である場合だ。しかし、そのためには「残酷に」なることが必要だろうか? この問いに対してはっきり「ノー」と言う前に、少し考えてみよう。私たちがこれまで管理職の人々から聞いた答えには驚くほど幅があった。だが、この問題に関する調査結果は非常に明確だ。

O・C・タナー社の新たな調査では、仕事で従業員が経験するポジティブな「山」の瞬間が、会社や仕事に対する従業員の体験に4週間ほど影響することが示された。一方で、ネガティブな「谷」の経験が従業員体験に影響を与えるのはわずか2週間ほどだ。

この調査結果は、その人や職場、上司や部下などによりさまざまな意味に解釈できる。部下にネガティブな経験を与える傾向がある上司は、これを都合良く解釈し、部下に悪い経験をさせても数週間で忘れてしまうのだと思うかもしれない。しかし、賢いリーダーはそれとは逆に考える。部下の最高のパフォーマンスを引き出し、「気を引き締め」ておきたいのなら、ポジティブな体験をさせる方がはるかに効率的だ──と。

素晴らしい従業員体験を提供する職場には、次のような利点がある。

・素晴らしい取り組みが生まれる確率が8倍に
・エンゲージメントの高い従業員がいる確率が13倍に
・解雇がある確率が3分の1に
・売上が増加する可能性が2倍に
・従業員が中程度~重度の燃え尽き症候群を経験する確率が3分の1に

先述の管理職は私たちに対し、「でも、私には全従業員の職場での体験すべてが素晴らしいものになるようにする時間はない」と語った。彼はそこで、自分の言葉のきつさに気付いたかのように、言葉を止めた。「あなたたちが言いたいことは分かる。おそらくそれが正しいことなのだろうと思うが、私には達成しなければいけない目標がある」

こうした言い分を聞くのは初めてではない。冷淡に思える言葉もあったが、短期的な意味では全く間違った考えだとは言えない。ネガティブな体験は、従業員の気を引き締める上では役立つかもしれない。だが、ポジティブな「山」の瞬間を活用すれば、従業員が気を引き締めた状態をより長く保ちつつ、正しい方向に向かわせ続けることができる。

では従業員が仕事でポジティブな体験ができるようにするには、何をすれば良いのだろうか?

編集=遠藤宗生

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