そこには「ギフト券を無料でプレゼント」という大見出しと一緒に、「Amazonギフト券」のロゴがプリントされていた。使用しているフォントの色もシンボルカラーであるオレンジだったこともあり、パッと見「Amazonからギフト券を無料でプレゼントされたのかな?」と錯覚した。
裏面を見ると、以前自分が購入したスピーカーがプリントされ、「中国郵政」が印字されていた。
この時点で察しがついた方も多いだろう。そう、「購入した商品のレビューを書いてくれたら、お礼に500円分のAmazonギフト券をプレゼント」という内容だった。
誰でもわかるようにレビューの書き方とギフト券の受け取り方が書いてある(筆者撮影)
このスピーカーの購入するうえでは、「Amazonレビュー」を参考にしただけでなく、いくつものブログ記事の比較記事を読み比べて「これで間違いない」と思って購入した。そして商品自体は今でも使っているほど、コスパが良くて気に入っている。ハガキを見た瞬間は、「すごいな中国業者! そして、“今更”とても原始的な手法……」と笑ってしまったが、直ぐに考えを改めた。
「今、これは一周回って効果的な施策であると同時に、一般消費者がステルス・マーケティング(以下、ステマ)に飲み込まれてしまう」と思ったからだ。
ちょうど先月放送された、NHK「クローズアップ現代」の特集「追跡! ネット通販 やらせレビュー」、今月公開された東洋経済オンライン「アマゾンで偽レビュー作りまくる不届者の正体」の記事でも取り上げられたように、今「Amazon不正レビュー」が社会問題に挙がっている。
「Amazon不正レビュー」とは、自社の販売商品に関するレビューを、“囲い込んだユーザー”で高評価し、その「口コミ効果」によって消費者に購入の決め手とさせるものだ。そして、競合他社の商品を低評価し、同じく「口コミ効果」で自社商品の購入に誘導するコンボ技も存在する。