アップルが399ドルの「廉価版iPhone」で狙うサービス部門の増収

iPhone SE(PriceM / shutterstock.com)

アップルが今年発売したiPhone 11シリーズは好調な売上を記録したが、長期的観点でiPhoneの出荷台数を増やすことは困難だ。同社はこの状況の立て直しに向けて、来年の第1四半期の終わりに、「iPhone SE2」と呼ばれる廉価版の端末を投入しようとしている。

直近のレポートで、SE2の売上が今後のアップルの収益に大きく貢献する可能性が指摘された。著名アナリストのミンチー・クオはこの端末の出荷台数が2000万台から3000万台に達すると予測した。

「楽観的な予想として、クオはSE2の出荷台数が3000万台に達する見込んでいる。この端末のデザインやスペックはiPhone 8と類似したものになる」とMacRumorsは報じている。

iPhone 8のエントリーモデルは現在449ドルで販売中だが、SE2の価格は399ドルになる見通しだ。アップルが安価なSE2の投入で狙うのは、新たな顧客を自社のエコシステムに取り込み、サービス部門の増収につなげることだ。

iOSベースのデバイスの利用者が増えれば増えるほど、アップルはApple MusicやiCloudなどのサブスクリプション収入を伸ばすことが可能になる。

アップルがクオの予想通りSE2を成功させ、iPhoneのユーザーベースを再び上昇基調に乗せることが出来れば、長期的に見て大きな利益を確保できることになる。安価なSE2の投入によって、同社は1500ドルのフラッグシップモデル以上のメリットを得ることになるかもしれない。

編集=上田裕資

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