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2019.11.04

ストリーミング新企業「HBO Max」、世界9000万人目指し来年始動

Getty Images

AT&T傘下のワーナーメディアは2020年5月に、ストリーミングサービス「HBO Max」を立ち上げる。このサービスは米国のストリーミング分野で最も月額費用が高額なものとなる。

HBO Maxは月額14.99ドルで、11月にサービス開始予定の「Apple TV+」(4.99ドル)や「Disney+」(6.99ドル)の価格を大幅に上回る。HBO MaxはHBOのオリジナル作品に加え、ワーナー・ブラザースの映画やドラマ作品を配信し、人気コメディの「サウスパーク」なども楽しめる。

さらに、HBOの大ヒット作「ゲーム・オブ・スローンズ」のスピンアウト作品「House of The Dragon」の製作も進行中という。「我々がやろうとしていることはネットフリックスとは違うし、ディズニーとも異なる」とAT&Tのランドール・スティーブンソンCEOは述べた。

ワーナーメディアは、HBO Maxの立ち上げ初年度に20億ドル(約2170億円)をコンテンツに注ぐとしているが、1年目の売上には期待しておらず、収益化は2025年以降になると見込んでいる。

ネットフリックスは米国内で6000万人以上の会員を抱えているが、HBO Maxは今後の5年で5000万人の米国人ユーザーを獲得し、世界全体で7500万人から9000万人を獲得するという野心的プランを描いている。

新規会員の獲得において鍵を握るのが人気のコメディシリーズだが、HBO Maxは「サウスパーク」に加え、「フレンズ」や「ビッグバン・セオリー」の配信権も獲得している。

ブルームバーグの報道によると、「サウスパーク」の権利元のバイアコムと、制作者のトレイ・パーカー及びマット・ストーンらは、この作品の米国での独占配信権を、5億ドル(約543億円)に及ぶ金額で売却する見込みという。

しかし、HBO Maxは「サウスパーク」の配信権獲得に支払った金額を開示していない。HBO Maxは初年度に31のオリジナル番組を用意する計画だ。

編集=上田裕資

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