ビジネス

2019.11.05 07:00

「ユーチューバーではない」発言の真意──小嶋陽菜がVLOGに見出した可能性とは?


──少し専門的になってしまいますが、どのようなツールを使われているのでしょうか?

動画を撮るのに使っているツールは、iPhoneとOsmo Pocketとデジカメの3つ。シチュエーションや撮りたい画に合わせてカメラを選んでいます。

旅行とかお仕事のいろんなシーンを撮り溜めておいて、あとで「この写真はインスタっぽいな」「この動画にあの音楽を重ねてVLOGに使おう」みたいにフォルダを遡ることが多いです。無理なく楽しみながら運用できていますね。

VLOGはBGMのような感覚でゆるく楽しむ人も多いので、音楽は重要な要素。VLOGを作る際、音楽はめちゃくちゃこだわっています。もちろん著作権の問題もあるので、好きな曲をなんでも使うというわけにはいきません。今は、商用使用可能な音楽がストックしてあるサブスクリプションサービスを利用しています。

スタート時は良い方法が見つからず苦労しました。フリー素材には好みの物がなかったので、海外のクリエイターがサウンドクラウドにアップしていた音楽をひたすら聴いて、私のSNSアカウントからDMで本人に連絡して使用許可を取っていたんです。

いいなって思うのが1000曲に1曲くらいで、返信が返って来るのは半分くらい。途方もない作業でした。1日中パソコンの前にいたんじゃないですかね(笑)。

──それはすごく大変ですね……(笑)。

私はこだわって作り込んでしまうのですが、VLOGには「絶対にこうじゃなきゃいけない」といった形式はありません。あまり編集せずに日々のログを発信しているVloggerもいるので、もし興味を持ったら気楽に始めてみればいいと思います。



──VLOGを始めたことで、何か良い影響はありましたか?

VLOGにチャレンジしたことで、ファン層が広がったと感じています。現在のお仕事は、自分で立ち上げたアパレルブランド事業や雑誌のモデルが中心なのですが、どちらもお金を払って、能動的見に来てもらうジャンルのもの。ファンの中心は、昔から私のことを応援してくれる人たちでした。

ただ、VLOGを始めたことで、いわゆる「ライト層」にリーチできるようになったと思います。改めてユーチューブというプラットフォームの強さを感じました。TVに出る機会が減ると、すぐに「消えた」なんて言われちゃうから(笑)。いま、どういう活動をしているか知ってもらう良い機会だったと思います。

VLOGは、発信ツールの一つとして取り組んでいるので、この先どう展開するか具体的なゴールを決めているわけではありません。

ですが、色々と試すことが大事だと思っています。色々と試すことで自分の表現したいこと、絶対にやらないこと、みんなが観たいと思っているもの、そしてユーチューブのアルゴリズムとのバランスの取り方が何となく肌感覚ですが掴めてきました。
次ページ > ネットオタクのこじはるが考える「SNS論」

文=井澤梓 編集=新國翔大 写真=小田駿一

タグ:

連載

才能の見つけ方

ForbesBrandVoice

人気記事