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なぜ、長友は自身が持つ「アスリートの能力」をビジネスの分野でも活かそうと思ったのか。長友は自身の考えをこう語る。
「現役のサッカー選手ですが、僕はビジネスを通して意識的に自分の考えや経験を発信するようにしています。アスリートは競技だけやっていればいいという論調もありますが、僕はビジネスをすることはアスリートにとって大事なことだと思います。
なぜなら、現役の選手はどんな競技をするにしても一定の発信力や影響力を持っているからです。一瞬一瞬の勝負をしているアスリートが持つ力強さや試合に至るまでのプロセスには説得力があります。そして今は、SNSやYouTubeなどで個人が発信をできる時代。自分の声や自分の想いを届ける機会を作り、それが継続する仕組みにしないといけないと思っていますし、そこで生まれた共感によって、ファンが増えていくと思います。
その結果、『発信力=ブランド』へと昇華していく。最近はベンチャー企業の方ともお会いする機会をいただくことが多くありますが、アスリートとベンチャー企業はとても性質として近いんじゃないか。そんな風に思っています」(長友)
多くの人が見てくれるから、ビジネスでも挑戦できる
現在、ラグビーW杯で大いに沸き、2020年には東京五輪、そして2021年にはワールドマスターズゲームズが開催される予定となっている日本。今後のスポーツビジネスの発展について、長友はどのような考えを持っているのか。
「日本でスポーツが盛り上がることは凄く嬉しいことです。アスリートはもちろん競技として結果を残すのは大前提ですが、この機会にアスリートは結果のワンシーンだけを見てもらうのではなく、プロセスやその競技に対する考え方などを積極的に発信して、伝える必要があります。もっとファンの人や仲間と一緒に共感を創造するのが大事ですし、それを大きくするのは周囲の企業の皆様やマスコミ・メディアの力。
企業や投資家が大きな機会として捉えることだけではなく、アスリート自身とサポーター、チームや協会など、多くのステークホルダーが組織となって動いていくことが、日本のスポーツビジネスが大きく前進することなんじゃないかと思います」(長友)