「企業の価値は、時価総額からフォロワー数へ」広告のトレンドを予測する

左:和田夏実|中央:林智彦|右:原野守弘



(写真)ムートン・カデのロゼワイン

日本の作品が受賞できない理由

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──今回のカンヌライオンズでは27部門で受賞がありました。しかし日本の作品は1つもグランプリに輝いていない。日本の作品が受賞できない理由についてどうお考えでしょうか。

:審査員を務めた立場から言えば、作品の前提、つまり文脈を説明するのに時間を費やした。

原野:出品する作品をプレゼンする能力が低いのが日本だと思いますね。他にもフィルムの制作能力も他国に比べると極端に低い。グランプリを争うようなクリエイティブディレクターは、頭が良く、作品をどう説明すればアピールできるか心得ている。だから、説明ではなく、2分間の映画をつくるんです。
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和田:審査には参加していないのですが、シンプルに日本語という言語が規定している部分もあるのではないかなということです。たとえば、ツイッターで日本語は主語がなくてもツイートできますが、英語であれば主語から始まるツイートになる。日本語は主語がなくてもツイートできるがゆえに、さも一般化された事実のように流れてしまう。そういう微妙な言語の違いが人々の思考や感覚を規定しているのではないかと思います。

原野:日本の作品が受賞しにくい他の理由としては、カンヌは基本的にはアングロサクソン系のクリエイターを中心としたコミュニティであるということ。日本人のクリエイターを中心としたコミュニティはあるけれど、前者で良いと言われているものとリンクしているかと言えば、そうでもない。両者には、ある種の分断があり、カンヌで受賞したいならば、アングロサクソン系のコミュニティの価値観を共有しなければならない。


(写真)フィンガーフード

こうしてForbes JAPANオフィス内のイベントスペースで行われた今回のイベント。パネルディスカッション後には、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社の協力で用意されたムートン・カデのロゼワインとフィンガーフードを片手にネットワーキングの時間を迎え、大盛況のうちに幕を閉じた。

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文=本多カツヒロ|写真=曽川拓哉

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Cannes Lions 2019

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