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世界の国際送金額は年間7000億ドル(約75兆円)以上にのぼると言われるが、サムスンはこの市場への進出に向け、新たな提携をアナウンスした。

同社は既に決済サービスの「サムスンペイ(Samsung Pay)」を提供中だが、新機能の「マネー・トランスファー」を米国で導入し、海外送金を可能にする。送金可能国はインドやメキシコ、中国、フィリピンなど47カ国とされており、2020年には米国以外でも利用可能になる。

サムスンは今回の新サービスを、英国の決済プラットフォームFinablrとの提携で実現した。国際送金サービスにおいては、利用者が事前に手数料を確認できない点が課題とされてきた。FinablrのCTOのMehul Desaiは「従来の国際送金サービスを上回る利便性を提供していく」と述べた。

サムスンのマネー・トランスファーを用いた国際送金では、手数料が事前に確認可能で、1送金あたり最低1.72ドル程度の手数料になるという。Desaiは手数料のパーセンテージを明かさなかったものの、競合よりは「有利な比率になる」と述べた。

この分野で最大のシェアを誇るウエスタンユニオンは、送金額の約5%を徴収しており、フィンテック企業のRemitly(レミットリー)は、1.3%を徴収している。

サムスンペイの利用者らは今後、登録したクレジットカードやデビットカードから国際送金が行える。決済ネットワークはFinablrのものを用い、資金を受け取った側は、現地の銀行や店舗経由で引き出しが行える。

サムスンは2015年にサムスンペイを始動し、アップルのアップルペイを追い上げてきた。サムスン電子アメリカのバイスプレジデント、Sang W. Ahnは「サムスンペイは世界とつながりを持つ人々の暮らしを、より便利にしていく」と述べた。

国際送金サービス市場では大手のウエスタンユニオンや、スタートアップのレミットリー、TransferWiseらが激突している。ウエスタンユニオンは世界17カ国で、銀行からデジタル口座への送金を可能にし、今年6月にはVISAと提携し、処理スピードを向上させた。一方でレミットリーは先日、新たに2億ドルを調達し、企業価値は10億ドルに近づいた。

さらに、Transferwiseも先日、米国で複数の通貨に対応するデビットカードを立ち上げ、グローバルな買い物と送金を実現した。

そんな中、サムスンはFinablrの40年に及ぶ国際送金サービスの知見を用いて、この市場に乗り込もうとしている。「当社が長年に渡り築き上げたネットワークと、サムスンの先端的テクノロジーを活かし、市場をリードするサービスを拡大していく」と、FinablrのCEOを務めるPromoth Manghatは述べた。

編集=上田裕資

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