カリフォルニア州リバーサイドが1位になった理由のひとつは、LTV比率が全米大半の都市と比較して高めだったことだ。しかし、レッドフィンの表を見るとわかるように、住宅の価格変動率でも全米トップに入っている(リバーサイドは17.9%で、同州サンノゼの18.1%に次いで2位だった)。住宅価格の変動率は、年々の住宅価格の標準偏差を計算して割り出される。
サンフランシスコは不動産価格が非常に高いことで有名な都市だが、最もリスクの高い都市のトップ10には入っていない。その理由は主に、LTV比率が53%と低めだったからだ。しかし、住宅価格に対する世帯所得の比率は、都市リストのなかで最も高かった(15.1)。住宅の購入価格が全米一という評判は変わらないわけだ。この比率がサンフランシスコに次いで高かったのはロサンゼルス(10.9)だった。
リスクの高い市場を評価する上で重要なもうひとつの指標は、価格の安定だ。そこで、上記に挙げた上位10都市の価格変動率を見てみよう。ラスベガスならびにフロリダ州の複数の都市は、前回の不況で最も大きな打撃を被ったため、価格の変動率が高いことは驚きではない。
最もリスクが大きい都市の価格変動率
1. リバーサイド(カリフォルニア州)… 17.9%
2. フェニックス(アリゾナ州)… 17.7%
3. マイアミ(フロリダ州)… 15.2%
4. サンディエゴ(カリフォルニア州)… 16.9%
5. プロビデンス(ロードアイランド州)… 16.8%
6. タンパ(フロリダ州)… 17.1%
7. ラスベガス(ネバダ州)… 16.7%
8. ロサンゼルス(カリフォルニア州)… 15.7%
9. サンアントニオ(テキサス州)… 15.7%
10. オーランド(フロリダ州)… 16.0%
良いニュースもある。住宅市場がどのくらい失速するにせよ、前回ほど劇的なものにはならない見込みだ。ただ、景気の低迷がそれほど厳しいものにはならないとはいえ、10年前の痛手から回復しきれていない地域では、数値から予想されるよりも影響が大きくなるかもしれない。ここで挙げた都市やその近辺に住んでいる人は、事態が悪い方へ向かう前に、家計を見直すべき時だと言えるだろう。