この339万人の公務員の志と能力が1%あがるだけで、世の中がもっと良くなる可能性があると信じて、47都道府県の地方公務員と中央省庁で働く官僚をつなげる活動を行う「よんなな会」という団体があります。
339万人の公務員の志と能力を1%あげる
「よんなな会」では、年4回の交流会を開催しているほか、著名な登壇者を招いた講演会も開催しており、これまでに衆議院議員の小泉進次郎氏やキングコング西野亮廣氏といった方々が登壇されています。毎回数百人の参加者が全国から集まっており、2019年6月30日に横浜ランドマークタワーで開催された会も大盛況でした。
この「よんなな会」の代表を務めている脇雅昭氏自身も、公務員です。
彼は、自分が1万の力を持つのではなく、1万人の志が1%増すことで、自分の身の回りに何ができるだろうと考えている人を増やしたいと考えていました。そしてまずは、自分と同じ公務員の中からそういう人を増やそうと思い、「よんなな会」を始めたそうです。
求められる公務員像に変化
身分が保証されていることから安定した職業として語られることの多い公務員ですが、多様で変化に富んだ社会にあって、求められる公務員像も変わってきています。
2019年3月に奈良県生駒市が発表した公務員採用試験のポスターでは、洗剤のビジュアルと「お役所仕事と本品を絶対に混同しないでください」と書かれたコピーで、思考停止型や終身雇用熱望型の人材は遠慮したいという旨をアピールしていました。
市民と一緒に課題を解決していける人材が欲しいことから、生駒市ではこうした表現を採用したそうです。業務が多様で複雑になる一方、財政難で人員を削減する自治体も増えています。地域にも危機感が蓄積されてきていることが伺えます。
地域を動かす「飛び出す公務員」が全国各地に増えてきた
そんな地域にあって一人ひとりが1の力を発揮する上では、ロールモデルとなるリーダーの存在も欠かせません。私は全国の公務員と一緒に仕事をする中で、多くのリーダーと出会ってきました。
彼らに共通しているのは、地域の将来に対する危機感です。自分の愛する地域を憂い、もっともっと輝いて欲しい、持続可能にしたいという強い思いを持っています。