「ななつ星 in 九州」が福岡県うきは駅に停車するきっかけづくり
吉弘拓生氏
福岡市うきは市の職員で、現在、一般財団法人地域活性化センターに勤務している吉弘拓生氏も、その一人です。
彼は、2000年九州産業大学在学中にラジオアナウンサーからスタートするという異例のキャリアの持ち主。2013年、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の歓迎事業を手がけました。
吉弘氏が考えたのは、沿線にある保育所や住民の協力を得て、通過する列車に手を振るというものです。歓迎行事というと特別な演出をイメージしますが、吉弘氏はモノではなく人や「コト」物語に着目して歓迎を企画し、列車のクルーから高く評価されました。
こうした吉弘氏の活動もあり、2015年3月からは「ななつ星 in 九州」は、うきは駅に停車することになりました。その後も、うきは市は一年を通してフルーツが収穫できるフルーツ王国ブランドを軸に、農産物のブランド化など地域の稼ぐ力の向上に取り組んでいます。
公務員が潤滑油に!オープンイノベーションを起こす埼玉県横瀬町「よこらぼ」
田端将伸氏
埼玉県横瀬町の田端将伸氏も、公務員の新しいロールモデルとなる人材です。
田端氏は横瀬町の出身で、埼玉県庁に出向している際にあらためて外からみた地元の魅力に気づいたそうです。
明るく元気で人と話すことが大好きな田端氏は、町外の企業や個人から横瀬町で実施したいプロジェクトを募集し、実現に向かって町全体で支援するオープンイノベーションプロジェクト「よこらぼ」を2016年にスタートします。
前例がなくとも、田端氏のように積極的に新しいものを取り入れようとする姿勢は、外部のクリエイターらの共感を生み、海外アワードを多く受賞する株式会社イグジットフィルムらと埼玉県横瀬町内の中学生が中心となって地域を舞台に制作したショートムービー『CLASS for CREATING MYSELF』が誕生しました
外部の人と連携して、何かを変革することはリスクも高く勇気がいりますし、誰でも失敗したらどうしようと考えるものです。それでも田端の場合は、失敗を含めて何も起こらないことへの危機感が上回っていたそうです。
私もそばにいて行動することがありますが、アイデアが浮かんだらすぐに関係者に電話をしていますし、決めたことはすぐに実行しています。ゼロからまず1歩踏み出そうとするその決断力、実行力は、まさにイノベーションを起こす公務員として、ロールモデルと感じました。