2017年にオーロラを設立したアームソンは、グーグルの自動運転プロジェクトのトップを8年近く務め、グーグルがウェイモを立ち上げる直前に、独立した。
「現在の自動運転分野をリードする人々の多くは、かつて私の配下に居た人々だ。それはとても光栄なことだと思っている」
フォーブスは先日、AI分野の主要50社を選ぶリスト「AI 50」を公開したが、そこに登場した5社の輸送関連企業の1つがオーロラで、その他の2社(デリバリーロボットのNuroと、自動運転トラックのKodiak)の創業者も、グーグル在籍時にアームソンの下で働いていた。
オーロラの特徴は自動運転技術の開発に特化していることで、自社で自動運転車を製造し、運用することは考えていない。その代わりに同社は、フィアット・クライスラーやヒュンダイらと技術提携を結び、今年2月にはセコイア・キャピタルが主導し、アマゾンも参加した資金調達ラウンドで5億3000万ドル(約570億円)の出資を獲得した。
オーロラの企業価値は既に25億ドルに達したとされている。
フォーブスはアームソンを取材し、オーロラが掲げるゴールや、求める人材、リーダーシップのあり方について尋ねた。
「求める人材」について
自動運転分野には大手自動車メーカーから小規模なスタートアップまで、様々な企業がひしめいている。我々が求める人材の1つがマシンラーニングに関する深い知見を備えた人々だが、彼らは実際のところ、どんな分野からも重宝される人々だ。
そこで重要なのは、彼らにどのようなビジョンを提示し、それを共有できるかだ。彼らとストーリーを共有し、成功への道を示す必要がある。同じビジョンを共有できない人に、来てもらう必要はない。オーロラは小さなスタートアップ企業だから、ここで働くことは彼らにとってリスクでもある。でも、そのリスクを上回る大きなチャンスが広がっていることを、彼らに理解してもらっている。
普通じゃないキャリアを持つ人材
オーロラが求めているのは、スタンフォード大学の卒業生やグーグルの出身者だけではない。面白い発想が出来る人材を探すために、もっと広い視野で探そうとしている。例えば、ピクサーでコンピュータグラフィックを手がけていたMagnus Wrenningeなどがその一例だ。彼はアートに知見が深い一方で、テクノロジーにも非常に詳しい。Wrenningeが持つ資質は、自動運転のシミュレーションでも大きな力を発揮する。