3年前にスウェーデンに移住した筆者の経験をもとに綴る、サラリーマンの海外移住HOW TOコラム。第3回は、欧州での具体的な求人情報探しの方法と面接での注意点について紹介する。
リンクトインなしでは話にならない
私がスウェーデンへ移住してからの3年間で、すでに職探しに変化が起きている。それはリンクトインの存在感が増しているということだ。この数年で、「あなたのキャリアにマッチした仕事があります」というような通知が毎日のように来るようになった。
リンクトインは、ウェブ上で効率よく情報がまとめられるので、CV(職務経歴書)以上の情報量を載せておくことができる。求人情報の検索においては、地域や職種、企業はもちろんのこと、インターンから役員レベルまでポジション別でフィルターをかけることも可能だ。スウェーデンの会社によってはリンクトイン経由でしか応募を受付けないところすらある。
前回の記事でコネの重要性を説いたが、例え誰かの紹介であっても、応募先の採用担当は、リンクトインであなたを検索し、プロフィールを入念にチェックするだろう。”時代遅れの人”という印象を与えない為にもプロフィールは入念にアップデートしておくことが重要だ。
私の見立てでは、近い将来、紙ベースのCVはこの世から姿を消し、代わりにリンクトインなりのオンライン上で職務経歴を提供する方法となっていくはずだ。つまり、今後欧州で転職活動をするのであればリンクトインは必須。アカウントを作成し、プロフィールを充実させよう。その際に、プロフィール写真が存在しない、もしくは妙にカジュアルなのはご法度だ。
とはいえ、日本企業、なかでもで保守的な業界とされる自動車や電機業界では、未だにリンクトインのアカウントを作りづらい。アカウントがあると、上司や同僚に「会社を辞めたがっている」と映ってしまうからだ。こうした状況を打開するには、海外就職の前に”ホンモノの外資系企業”へ転職することをお勧めする。外資には終身雇用神話がほとんどないため、リンクトインを使っていても何ら問題はない。
応募にあたっては、手当たり次第にアプライするのがいい。応募する段階でクヨクヨ悩む必要はない。応募先から返答があってから色々と悩めば良いのだ。日本では当たり前の「内定」と言う文化がないため、契約書にサインをするまでは何の後腐れもなくいつでも断ることもできる。これが欧州での転職活動における“ノリ”である。
面接前に「幸せの定義」を明確に
応募先から何らかのリアクションがあった場合は、高い確率で早速Skypeの面接が行われる。相手は将来の上司か、人材紹介業者が間にいれば彼らが相手となる。いずれにせよ、聞かれることは極めてシンプルだ。
私も実際にSkype面接を経験したが、職務経歴やスキルの話題よりも、まず最初に効かれたのが「なぜスウェーデン?」である。日本からの応募は大変珍しく、面接する側としては冷やかしなのか本気なのかを知るために当然の質問だろう。ここで合理的な理由を説明できないと、その場で終了となる。