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人類初の「宇宙から行われたサイバー犯罪」が、注目を集めている。8月24日のニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、昨年12月から半年間、宇宙に滞在していた女性宇宙飛行士、アン・マクレーン(Anne McClain)は、離婚訴訟中の同性パートナーの銀行口座に、ISS(国際宇宙ステーション)から不正にアクセスしたという。

マクレーンは現在、なりすまし犯罪と個人の財務データへの不正アクセスの罪に問われている。マクレーンと離婚調停中のサマー・ワーデン(Summer Worden)は彼女の銀行口座にマクレーンが不正アクセスしたと主張している。

ワーデンは、不正ログインが行われた場所を銀行に確認し、NASAのコンピュータが用いられたことを突き止めたという。マクレーンは当時、女性のみで行う宇宙遊泳に参加するために国際宇宙ステーションに滞在中だった。

マクレーンは6カ月の宇宙滞在を終え、現在は地球に帰還している。彼女は、宇宙ステーションからワーデンの口座にアクセスしたことを認めている。「アクセスを行ったのは、子供のために十分な残高があるかを確認するためだった」と、弁護士を通じてコメントしている。

「彼女は、不正行為は断じて行っていないと話しており、捜査に全面的に協力している」とマクレーンの弁護士のRusty Hardinは述べた。NYTによると、ワーデンの口座から資金が移された痕跡はないという。

ビジネスインサイダーによると、マクレーンの不正アクセスについてワーデンの両親は、「息子の親権を獲得するための高度に計算された行動だ」と述べたという。息子は、2人が結婚する1年ほど前に生まれていたという。

マクレーンは、8月24日に次のようにツイートした。「訴えの内容が事実でないことは明らかだ。極めて個人的な出来事が、不幸にもメディアの注目を集めてしまった。コメントは捜査が終わるまで控えたい」

この件に関し、NASAは次のように述べている。「マクレーン中佐は、イラクで戦闘任務に従事するなど輝かしい軍歴をもち、NASAではトップクラスの宇宙飛行士だ。NASAは、従業員の個人的な事柄に関するコメントは控える」

BBCによると、宇宙における法的フレームワークは定められており、不正を働いた宇宙飛行士の母国が司法権を持つことになるという。

セキュリティ専門家のJohn Opdenakkerは、「アカウントのパスワードを他人と共有した場合、その人物との関係が変わった場合には再設定するべきだ。例え相手が信頼できるパートナーであっても、パスワード共有は最低限にとどめるべきだ」と主張する。

「私であれば、銀行口座のパスワードは絶対に共有しない。私はパートナーと共同口座を開設しているが、アカウントは別にしている」と彼は話した。

編集=上田裕資

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