ヘンダーソンによると、こうした悪意ある充電ケーブルは現在、広く見られる脅威ではない。「その主な理由は、こうした種類の攻撃は広く実行しにくいことにある。そのため、この攻撃に遭遇した場合、それは非常に標的を絞ったものだと言える」
「しかし、この攻撃が普及していないからといってこれからも広まらないとは限らない。この攻撃が有効であることは間違いないからだ」とヘンダーソン。「この技術はとても小さく安価だ。普通のケーブルに見えるほど小さいが、被害者の機器にマルウエアを埋め込むことができる。製造コストは今後下がる見通しで、いつ大規模に実行可能になるかについて一般的な消費者が追えるようなものでもない」
ヘンダーソンによると、悪意のある充電ケーブルよりも現時点で大きな脅威は、空港などの公共の場に置かれているUSB充電ステーションだ。「これまで、充電ステーションに手が加えられたケースを幾つか見てきた。問題なのは電源コンセントではなく、充電ステーションについているUSBポートだ」(ヘンダーソン)
「自分がどの機器に接続するかに注意すれば、良い予防措置となる」とヘンダーソン。「メールの添付ファイルを開けたりパスワードを共有したりすることと同じように考えてほしい。コンピューターの世界でケーブルを共有することは、パスワードを共有することと同じだ。この種の技術によって、それほどのレベルのアクセスを与えることになる」
多くの旅行者は困った時に、ホテルのフロントの引き出しには宿泊者が忘れていった充電ケーブルがいっぱい入っているであろうと思うものだ。しかし、その誘惑に負けてはいけないとヘンダーソンは注意を促している。「フロントの引き出しに下着がいっぱい入っていたら、あなたはそれをはくだろうか?」