海外移住への第一歩、現地企業へ転職するために必要な4つの要素

サラリーマンが海外移住をするにあたっての第一歩は現地企業との雇用契約を結ぶことである。一言で言ってしまえばそれに尽きるのだが、では、どのようにすれば契約に至る確率が上がるのか。

3年前にスウェーデンに移住した筆者の経験をもとに綴る、サラリーマンの海外移住HOW TOコラム。第2回は、そのあたりについて紹介する。

鍵を握る4つのキーワード

私が就労しているスウェーデンに限った話ではないが、海外企業で働くうえで重要な要素は「言葉、文化理解度、コネ、専門性」となる。これら4つのキーワードを上のように分類し、少なくとも両方のグラフで黄色の領域にいないとチャンスはない。逆に言えば、両方のグラフで緑色に位置していれば、海外企業からのオファーは極めて得やすくなるだろう。

では、4つのキーワードについてそれぞれ説明していこう。

言葉:どれほどのレベルを求められるか?

海外移住というと真っ先に思い浮かぶのが言葉の壁だろう。しかし、必ずしも現地の公用語、またはハイレベルな英語が必須なわけではない。

私のような自動車業界での研究開発業務はとくに資格など要求されず、言語においてはスウェーデン語を話せなくても英語で働ける場合が多い。どの国も図面や要求仕様書などは英語で記載されている。また、こういう職種は、大学で機械工学や電気電子工学を学んだ人が大多数で、学んだ数式や定理などが万国共通。言葉がイマイチであっても、ホワイトボードに数式を書きながら説明をすれば、誤解なくコミュニケーションが取れるものだ。

現に私はハリウッド映画を観てもサッパリだし、トランプ大統領の演説を聞いてもまったくわからない。私が仕事で使う英語のレベルは、中学で習う英語に毛が生えたぐらい。それよりも100ページにも及ぶ英語で書かれた要求仕様書の「内容」を理解できることが大切なのだ。私は数式やグラフ等で要求内容を把握し、その後に文章を読み、理解ができない場合は同僚に確認を取る。



とはいえ、求められる語学レベルは立場に比例する。私は現在自分のチームを持っているが、例えばチームとしての方向性や戦略を語る際には微妙なニュアンスも含め、誤解なく伝えられるレベルの語学力が必要となってくる。しかし、この立場においても映画をまるわかりするほどの完璧さは必要はない。
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文=吉澤智哉

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