──ブルックスさんは、価値観を武器としてではなく贈り物として活用するようアドバイスしています。これは、職場での目に見える行動として、どう実践すればよいのでしょう?
同僚と大きな意見の相違(例えば、その同僚が他の同僚を頻繁に批判しているなど)があった場合、通常2つの解決法がある。
1つ目は、その人に対し、そのように他者を扱うあなたは道徳のない人だとか、ばか者だと伝えること。2つ目は、相手に示してほしい親切心を自分がモデルとして示し、自分が励ましや建設的なフィードバックを周囲に与えることで職場により良い結果をもたらすことができたという経験を共有すること。
後者の例では、あなたは自分の優しさの価値観を贈り物(特別なもので、まねる価値があるもの)として使っているが、前者は優しさの価値観を武器としているため、周囲からみた魅力が下がっている。
──ブルックスさんは、「love」が動詞だと強く考えていますね。「愛」という感情は「愛する」という動詞の成果であると信じています。この哲学は職場やその他の人間関係でどのように活用できるでしょう?
私たちは、あまりに多くの行動を感情に支配させている。しかし、これまでの研究からは大抵、これが逆効果であることが示されている。
あなたは、たとえ自分と政治的意見が異なる人であっても、同僚とはより良い友情を築きたいと思うだろうか? 職場の幸福度を上げ、自分の生活がより多くの愛に満ちたものにしたいだろうか?
そのためにできることは、他者への軽蔑心をもってして人々に接することではない。その代わりに、気が進まないときであっても、より優しく、愛のある人になるよう、積極的な行動を取ること。こうすることで、仕事でより大きな成功を収められるだけでなく、人として幸せになれることが、多くの研究から示されている。