小売業者にとって、倒産の理由となる問題は主に3つある。あまりに多額の借り入れ、高額すぎる賃料、時代遅れのビジネスモデルだ。そして、バーニーズはこれらの全てに直面していると考えられる。
破産法の適用が企業にとっての問題解決の手段であるとすれば、バーニーズには(再建という)明るい未来があることになる。だが、実際にはどうだろうか。同社の賃料が現在よりずっと安くなり、負債がなくなれば、存続可能なビジネスになるのだろうか?財務状況は公開されておらず、この疑問に対する答えは明らかではない。
バーニーズは古い形態の百貨店だ。「デジタルネイティブ」の企業ではなく、オンラインでの事業を基本に起業した各社に追いつこうと躍起になっているところだ。顧客ベースは年齢が高く、若年層の取り込みは困難だ。
ある著名スタイリストによれば、例えば有名人がイベントに出席するとき、明らかに他には似たようなものがないドレスを着て行く必要があるなら、それを探しに行くべき店はバーニーズだという──そのような需要は、どれほどあるのだろうか?
吹き付ける逆風
バーニーズは今、それ自体がというわけではないものの、攻撃にさらされている。テクノロジーと文化の双方が、同社を脅かす方向へと発展してきたためだ。
財務面で問題に直面する企業でも、以前なら事業の継続は可能だと考えられた。問題は解決が可能で、解決すれば再び、融資や投資を行う価値のある企業になるからだ。
再建を果たした企業は、それまで抱えていた借金がなくなり、望ましくないリース契約なども解消され、その後にどのような機会があるかも明確になる。そのため、事業が適切なものだとみなされれば、投資したいと考える人も多くなる。