キャリア・教育

2019.07.03 08:00

サラリーマンの海外移住 書類では「国への貢献」が審査される

Getty Images


日本国籍の保持者が労働許可を取得してスウェーデンに居住する場合、移住から2年経過時に延長許可申請が必要で、更に2年後、つまり移住から4年で永住権の取得となる。プラス1年でスウェーデン国籍の申請も可能だ。
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もし最初の2年間に会社を変えたら、移民庁への再申請が必要となり、同じ会社内であっても、職種が変わる場合(例えば研究開発→営業)は再申請が必要となる。ところが、2年目の更新を終えてから永住権取得までの2年間は、会社を変えても再申請は不要だが、社内で職種を変えたら再申請が必要となってくる。

これらのことから、スウェーデン社会では「どの会社」で働くというよりも、「何を」しているのかに重きを置いていることが分かる。つまり、高度な専門性を重視しているということだ。

労働許可とは言い換えてみれば、「あなたはこれまでスウェーデンに納税をしてこなかったし、スウェーデン企業があなたを採用することでスウェーデン国内及びEUの雇用機会を奪うことにもなるが、それでもあなたを移民として迎え社会保障を与えます」というものだ。
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いくら自分がスウェーデンに移住したいと思っていても、スウェーデン社会から需要がない限りギブ&テイクは成立しない。「スウェーデン社会に何を貢献できるのか」を審査するのが、移民庁の仕事といっても過言ではない。

例えば、スウェーデンでは自動車業界のエンジニアが慢性的に不足している。こういった社会の需要に対して、アメリカやドイツと並び、世界が誇る日本の自動車産業のバックグラウンドを備えた人材となれば労働許可が降りる可能性は高い。

また、スウェーデンにおける、日本の自動車産業出身の移民エンジニアはほぼゼロに等しく、希少性が高いことも重要なポイントだ。自らが移住をしたいと一方的に考えるのではなく、相手社会の需要、自分が供給できること、そしてどれだけの希少性があるのかを考えることが第一のステップとなる。

とにかく、サラリーマンが自らの意思でスウェーデンへ移住するのであれば、スウェーデン企業との契約書がない限り何ひとつ手続きは始められないのだ。

採用される職務履歴書の書き方


筆者の職務経歴書。見開きA3で左半分に職歴、右半分に資格等の情報を書くようにしている。

現地の会社から契約書を取得するうえで、まず必要になってくるのは職務経歴書(CV)とカバーレターとなる。

私はよく、「CVのフォーマットはありますか?」と聞かれるが、こういう疑問を抱いてしまうようであれば、それは日本文化にどっぷりと浸かっている証拠だ。残念だが海外企業への転職活動を始めるレベルには程遠い。
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文=吉澤智哉

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